【保存版】高校野球部の保護者必見!試合・練習日のお弁当ルール&栄養ガイド
試合に向けて一生懸命頑張る高校球児たち。その頑張りを、毎日のお弁当で支えているのが保護者の皆さんです。
でもこんな悩み、ありませんか?
- 「練習や試合の日、どんなお弁当が良いの?」
- 「ボリュームも栄養も足りているか心配…」
- 「夏場のお弁当、食中毒が不安…」
この記事では、普段プロのスポーツチームに帯同している栄養士が、高校野球部の保護者に向けて「試合・練習日に適したお弁当のルールと栄養バランス」についてわかりやすく解説します。
選手の力を“食”で支えるヒント、ぜひお弁当づくりに役立ててください!
目次
🍱 H2:高校野球部のお弁当づくり、ここがポイント!
🍚 H3:練習日と試合日で変わる食事の目的
▶ 練習日のお弁当
目的:体づくり・練習のための準備
- 練習強度が高い日は「糖質」の補給が特に重要
- お昼は「午後の練習のエネルギー源」にもなる
- 普段の体づくり
💡ポイント:ごはんは多めに、たんぱく質もしっかり。野菜でコンディション調整。

サポートしている高校のある選手の普段のお弁当の様子。入学後から体重が25kg増え、球速も121km/hから最後の夏の大会では145km/hを記録し、勝利に貢献しました。そして、高校史上初のプロ野球選手となりました!

▶ 試合日のお弁当
目的:消化に優しく、パフォーマンスを発揮するための準備
- エネルギー源はしっかり、でも消化に時間がかかるものは避ける
- 糖質を最優先!(試合で動くための準備)
- 油っこいもの・繊維が多すぎる野菜は控えめに
🍚 主食:エネルギーのベースになる「糖質」
試合日に最も意識したいのは、しっかりと“動けるエネルギー”をチャージしておくこと。
そのためには、ただたくさん食べるのではなく、消化や食べやすさも考慮することが大切です。
✅ 試合日の糖質補給ポイント
1. 主食を2つ組み合わせる(ごはん+うどん など)
→ エネルギー源を分散して、胃腸の負担を減らしつつしっかり補給。1つのものでたくさん食べるより、いろんなものから摂取できた方が気持ち的にも負担が少ない。また、エネルギーに変わる時間も食べ物によって異なるので、複数の糖質源から摂取することは理にかなっている。
例:小さめおにぎり+冷たいうどん、小さめパン+おにぎり など
2. おにぎりは小さめにして食べやすく
→ 一気に食べるより、試合前・途中で少しずつ補給しやすい形が◎
→ ゆっくり食べる時間がないので、一口サイズの方が食べやすい
→ 具材は塩むすび、鮭、梅など、消化に優しいものをチョイス
3. 果物をうまく組み合わせる
→ 糖質だけでなく、水分も摂取できるのが◎ *バナナは足の痙攣予防にもおすすめ
→ 保冷バッグで冷やして持参すれば、リフレッシュ効果も◎



サポートしている高校のある選手の試合日のお弁当。おにぎりの大きさや果物、ゼリーやオレンジジュースなど、糖質がしっかり摂取できる内容。
🥦 H3:お弁当で意識したい「3つの基本バランス」
ここでは、「主食・主菜・副菜」+プロ視点のコツをわかりやすく整理してみましょう👇
① 主食:エネルギーのベースになる「糖質」
- ごはん、麺、パンなど
- 午前・午後で長時間練習がある日は、ごはん多め(おにぎり追加もOK)
- 🍙 POINT:練習量に応じて“選手自身がごはん量を調整”する意識づけも大切
💡ポイント:お弁当箱の半分を主食にするとバランスが整いやすい。

② 主菜:筋肉や回復に必要な「たんぱく質」
- 鶏の照り焼き、焼き魚、卵焼き、豆腐ハンバーグなど
- 主菜で100gあると、しっかりタンパク質を確保できる
💡ポイント:1食で「肉・魚・卵・大豆製品・乳製品」の最低でも2種類、できれば3種類組み合わせる。
③ 副菜:ビタミン・ミネラルでコンディションを整える
- ほうれん草の胡麻和え、ブロッコリー、かぼちゃ煮、にんじんナムルなど
- 彩りや食感にもこだわって、「食べる気になる」仕掛けをつくる
- 🥕 POINT:常備菜や冷凍ストックを活用して、手間を減らす工夫も◎
💡ポイント
① 試合や練習のための準備が目的なら→芋類やカボチャをうまく活用して糖質アップ
②体づくりが目的なら→野菜+タンパク質の組み合わせでリカバリー強化
(ハム・魚肉ソーセージ・しらす・ちくわ・桜エビ・はんぺん・カニカマetc.)
赤・黄色・緑が揃えば、お弁当の彩りだけでなく、栄養素もバランスよく整えやすいです。
🔁 +α:補食(おにぎり・ゼリー・果物など)の提案 → 練習後・試合後にすぐ食べられるよう、別で準備するのもおすすめ
*高校球児は体の大きさにもよりますが、4000kcalでは足りない選手もいます。増量を目指すなら、1日3食での食事だけでは、必要な栄養素は満たすことができないので、補食を取り入れる必要があります。
補食=不足しているものを補うもの。その時の食べるタイングや目的によって、糖質なのか、タンパク質なのか、水分なのか、今何が必要なのかを考えて、適切な補食を用意すること。

✅ NG例に注意!避けたほうがいい食材・調理法
🍤 H3:試合前NG食材と理由
試合当日は、エネルギー補給のための食事が大切ですが、
それと同時に「胃腸に負担をかけないこと」「試合中のコンディションを維持すること」も非常に重要です。
以下のような食材・調理法は、試合前のお弁当では避けた方がベターです。
❌ 油っこい揚げ物(とんかつ・からあげ・フライ系)
- 消化に時間がかかり、試合中に胃もたれを起こしやすい
- 暑い日は特に、胃腸に負担がかかりやすい
❌ 繊維が多すぎる野菜(ごぼう、れんこん、きのこ など)
- 健康には良いが、試合前は消化スピード重視
- 炒め煮などで柔らかくする、量を控えるなどの調整が必要
❌ 香辛料が強いもの
- 胃を刺激して、腹痛や下痢のリスクがある
💡POINT:「食べやすく・消化しやすく・エネルギーになりやすい」
この3点を基準に、シンプルな味付け&調理を心がけましょう。
試合前1番やらないといけないことは、「試合で最高のパフォーマンスを発揮するための準備をすること」食事からは、試合中に動くためのエネルギー(糖質)を確保することが1番のターゲットとなる。
*普段のお弁当は特に生物でなければ、目的にもよりますが、上記のものも多少は取り入れてもOKです。ただ、試合前と普段のお弁当は全く別物であるという認識は持っておきましょう。
🧊 H3:夏場の食中毒対策と保存の工夫
夏の暑い時期は、食中毒対策が最優先課題になります。
特に野球部のように「お弁当を持参して長時間外に置いておく」場合、細心の注意が必要です。
✅ お弁当づくりの基本対策
- 🍳 加熱はしっかり!:卵・肉・魚などは中心部まで火を通す
- ❌ 半熟・ナマ系は禁止!:目玉焼き・スクランブルエッグも固焼き推奨
- 🍱 おかずはしっかり冷ましてから詰める:温かいまま詰めると菌が増殖しやすい
- 汁気をしっかり切るか、飛ばす調理法が必要
✅ 持ち運び&保存の工夫
- 🧊 保冷剤&保冷バッグは必須!
→ 保冷バッグはアルミ仕様のものだとより効果的 - 🧴 おしぼり・除菌シートをセットに
→ 手指の衛生を守るだけでなく、保護者の気づかいも伝わる
*冷凍したゼリーなどを入れるのもおすすめ。保冷剤かつ糖質摂取の補食にもなる。
✅ 腐りにくい食材の活用
- 梅干し、酢の物、しょうが、大葉などは抗菌効果が期待できる
- 冷凍フルーツを活用して温度を下げるのもひと工夫
💡POINT: 試合のパフォーマンスは「安全な食事」から始まります。
お弁当の中身だけでなく、“保存状態”にも気を配ることが、実は勝負を左右することもあるんです。
✅ プロが教える!おすすめお弁当メニュー例
練習や試合に向けたお弁当は、「何を入れたらいいか」悩む方がとても多いです。
ここでは、**管理栄養士の視点から“パフォーマンスを支えるお弁当の組み立て方”**をお伝えします。
🍚 主食:動けるエネルギー源
- 白ごはん・炊き込みご飯・混ぜごはん・うどん・パン など
- 練習や試合の強度によって「量」を調整
- ごはんはなるべく選手本人が自分の状態に応じて決めるのが理想
✅ 試合日の糖質補給3ポイント
- 主食を2つ組み合わせる(例:ごはん+うどん)
- おにぎりは小さめ&数個にして、食べやすく
- 果物(バナナ・みかんなど)も活用して素早いエネルギー補給に
🍗 主菜:筋肉と回復のもとになるたんぱく質
- 鶏の照り焼き、豚の生姜焼き、卵焼き、さばのみりん焼き、豆腐ハンバーグなど
- 冷めてもおいしい、脂質の少ないメニューが理想
💡調理の工夫:
- 揚げるより焼く・煮る
- 味付けは薄め+ごはんがすすむ系(しょうゆ・みりん・塩ベース)
🥕 副菜:コンディションを整えるビタミン・ミネラル
- ブロッコリーのおかか和え、にんじんナムル、ほうれん草の胡麻和え、かぼちゃの煮物 など
- 野菜が苦手な子には「色・食感・味つけ」に工夫を
💡ひと工夫:
- 冷凍野菜を活用(時短&保冷にも◎)
- 甘酢やカレー風味で食べやすさアップ
- 体づくりをするなら「野菜+タンパク質の組み合わせ」
🍊 補食や間食のアイデア(別容器で持参)
- 小さめおにぎり、ゼリー飲料、バナナ、干し芋、チーズなど
- 移動中や試合後に手軽に食べられるものが便利
💡POINT: 補食を持たせておくことで、エネルギー切れや脱水の予防にもつながります。

実際のラグビーチームで提供していたお弁当バランス重視ver.(練習後のリカバリーが目的なのでしっかりと糖質とタンパク質が摂取できる内容)鶏・豚・魚と3つのタンパク源を組み合わせています。野菜もたっぷり。

こちらは2部練習で、次の練習開始まで時間がないときのパンVer. 食べやすさと次の練習のための準備が目的です。こちらだけだとエネルギー量&タンパク質が不足するため、練習後に補食でカバーします。

これは試合前2日前ver. 試合日の2日前からしっかりと糖質を摂取できるメニューを組みます。「主食2つ+果物」からしっかりと糖質が摂取できます。また、具材を工夫し、タンパク質も少なくなりすぎないようにしています。

これは丼Ver. バランスと食べやすさを重視。
冷蔵庫を使って保存できたので、生野菜なども提供できましたが、みなさんの場合は、生野菜よりは、加熱して提供した方が安心かと思います。加熱すると、特にビタミンCは減少するので、うまく保冷剤を使って果物は持っていったり、野菜ジュース等で補強できると良いですね。
✅ 保護者の不安に答えます!よくある質問Q&A
❓Q1:「朝が早くて準備が大変…。どうすればいいですか?」
▶ A:前日の“ちょい仕込み”と冷凍ストックで時短を!
- おかずは前日の夜に下ごしらえ or 作り置きしておく
- 冷凍ブロッコリーや冷凍かぼちゃは栄養価も高く、すぐ使えて便利!
- スーパーの万能調味料やスパイス、混ぜるだけのものなどをうまく活用!
💡ポイント:「全部手作り」じゃなくてもOK。工夫で“続けられる”お弁当づくりを目指しましょう。冷凍食品や作り置き、常備菜などをうまく活用しましょう。最近では、冷凍したまま盛り付けて、食べる頃には解凍されてちょうどよくなる商品なども売ってます。
❓Q2:「子どもがよく残してしまいます…。どうすれば食べきれる?」
▶ A:量と見た目、味つけの“ちょっと調整”がカギ!
- おにぎりを小さめにして、個数を増やす or 麺や丼のスタイルにする
- カラフルな野菜や彩りから「見た目のおいしさ」**を演出
- 味つけは少し甘め・しょうゆベースなどごはんがすすむ系が◎
- 香辛料など(普段のお弁当)匂いから食欲アップ
💡ポイント: 完食できる=「達成感」。その積み重ねが食べる自信や感謝の気持ちにもつながります。食べることができない理由には、食事以外にも体調や内臓疲労、睡眠の質などあらゆる要因が複雑に絡んでいます。食事だけでなく、いろんな視点から、アプローチしていきましょう。日常の水分補給が不足していて、体の機能がうまく働いていなかったり、口の中がいつも乾燥しているなども、量を食べることができない要因の可能性もあるので、水分補給も実は非常に大切です。
それでも食べることができないとき・・・
① まずは食べることができるものを中心にメニューを構成する
②不足している量は、補食でカバーする。
*1日に必要な栄養量をカバーできれば、決して1日3食である必要はありません。4食で5食でもこまめに食べる方が吸収の面でもメリットは多いです。「食べることができないから、そのままでいいや」では何の成長もありません。普段の練習にもついていけず、怪我のリスクが上がります。「できないじゃなくて、何ならできるのか。不足している分をいつ・何で補うのか」を考え実行していくことが強くなるために必要なことです。
❓Q3:「飲み物や水分補給はどう工夫すればいい?」
▶ A:夏場は“量・温度・タイミング”をセットで考えましょう。
- 1リットル以上の水筒を持たせる(スポーツドリンク or 麦茶など)*余裕がある場合は、スポーツドリンク+お茶など2種類用意できるとさらに良い。
- 暑い日は氷を多めに入れて保冷をしっかり(5-15℃が飲みやすい)
- 朝ごはん+お弁当+補食とセットで**“こまめな水分補給の習慣”**を育てる
💡ポイント: 食事だけでなく、水分管理も大切なコンディション要素のひとつです。また、食事も立派な水分補給です。野菜・果物・汁物等をうまく活用しましょう。
こちらの記事も参考にしてみてください。
【保存版】パフォーマンスを引き出す水分補給戦略|プロチーム帯同の管理栄養士が伝授! - ほりさんの食選択応援Blog
✅ 選手自身が“食と向き合う力”を育てよう
高校野球という限られた時間の中で、日々全力で練習に取り組む選手たち。
その姿を支える保護者の皆さんの存在は、まさに“縁の下の力持ち”です。
でも、作ってもらうことが当たり前になってませんか?自分の食事量を任せっきりにしてませんか?自分の体調やその日の練習量・強度、自分のベストなコンディション、そのための体組成。それを自分以上に保護者の方が熟知しているのであれば、任せきっりでもいいかなと思いますが、「自分の体を1番知っているのはあなた、選手自身ですよね?」
自分の体と向き合い、“食べることに責任を持つ”ことこそ、アスリートとしての第一歩なのです。
🌾 ごはんの量は、選手自身が決める
私はプロの現場でも多くの選手を見てきましたが、長く活躍できる選手に共通するのは、「自己管理の意識が高く、その能力が伴っていること」です。
- 「今日は練習量が多いから、ごはんを多めに」
- 「ちょっと疲れ気味だから、油っこいものは避けよう」
- 「最近体重が落ちてきたから、補食を増やそう」
こうした判断を、“自分でできるようになる”ことが、未来の可能性を広げていきます。
ごはんの量、食べるタイミング、補食の持ち方…
最初はわからなくて当然。でも、少しずつでいいから、**“自分で考えて選ぶ力”**を育てていきましょう。その経験が、次のステージでさらに飛躍するためのポイントです。
🙏 感謝の気持ちを忘れずに
お弁当を「作ってもらう」ことが当たり前になっていませんか?
- お弁当を食べたら、「ありがとう」と伝える
- お弁当箱を自分で洗う
- 残さず食べようと心がける
こうした小さな行動の積み重ねが、保護者との信頼関係を育み、
そして何より、自立したアスリートとしての土台をつくっていきます。
「食べる力」は「生きる力」。
その第一歩が、今日のお弁当から始まります。
✅ 栄養セミナーのご案内|保護者・指導者の皆さまへ
「何を食べたらいいのか」
「どうやって子どもをサポートすればいいのか」
毎日の食事やお弁当づくりに向き合う中で、迷いや不安を感じることもあると思います。
そんな皆さんの力になりたい、そう願って、私はスポーツ栄養に関するセミナーや講演活動を行っています。
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- 部活動のミーティング時間(30分〜1時間も対応可)
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「今すぐできること」「実際に役立つ知識」に特化した内容で、
保護者の方・指導者の方からも「聞いてよかった!」とご好評いただいています。プロの選手にもお伝えしている内容を早い段階から聞けることは、選手の意識を変える大きなきっかけになると考えています。目先の結果だけでなく、将来、活躍するための心構えやスキルをお伝えすることも大切にしています。(夏の大会初勝利を目指すチームのサポートに関わり、プロ野球選手が誕生しました。)
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💬 内容が未定でも構いません。「こんなこと話してほしい」などお気軽にご相談ください!