試合当日の勝負メシ弁当!
目次
エネルギーを持続させる食べ方と、タイミング別おすすめメニュー【高校野球・保護者向け】
✅ 試合当日、選手の“力になる”お弁当とは?
「朝が早くて準備が大変…」「全部食べてくれるか心配」
そんな悩み、保護者のみなさんにはきっとあるはず。
実は、**試合当日のコンディションと集中力を支えるのが“お弁当”**です。
食事の工夫ひとつで、試合中の動きやパフォーマンスが大きく変わります。
この記事では、スポーツ栄養士としての視点から、試合当日のお弁当づくりのポイントをタイミング別にわかりやすくご紹介します。
🟧 試合の日は“エネルギー勝負”!
試合当日、1番意識しないといけないことは、「試合で最高のパフォーマンスを発揮すること。」で栄養はそのために必要不可欠な「準備」であること。そのため、試合当日は「糖質の摂取」を最優先に考える必要があります。
特に後半になるとエネルギー不足による集中力や判断力が落ちやすく、パフォーマンス低下につながることも。また、怪我にもつながりやすいです。
そのため、朝ごはん+お弁当でどのタイミングでどれだけのエネルギーを摂るかがとても重要になります。また、試合中もどのように糖質を摂取いていくかが、非常に大切になります。
🧠【アドバンス編】“いつ食べるか”も戦略!
「何を・どれくらい食べるか」だけではなく、
試合時間から逆算して考え、「いつ食べるか」を考えることが、勝負メシのアドバンス戦略です。
これがプロの考え方です。「何を食べるか」から、もう1歩踏み込んで考えるとより、よりよい準備ができるでしょう。
食べるタイミング | 内容の目安 | ポイント |
---|---|---|
4時間前 | 普通の食事(ごはん+おかず+野菜) | 消化に余裕があり、栄養バランスも◎ |
3時間前 | 糖質中心の軽食 | うどん・トースト・おにぎりなど、軽くて吸収の良いものを |
2時間前 | おにぎり、果物、バナナ、カステラなど | 胃に負担をかけず、素早くエネルギーに変わるものを |
1時間前 | ゼリー飲料・スポーツドリンク | 吸収の速い糖質・水分・電解質の補給を意識 |
この「時間を味方につける食事戦略」が、
試合中にパフォーマンスを発揮することにつながります。




試合中もどうやって糖質を摂取して、エネルギーを補充するかも大切

*試合3時間前の食事(ラグビー選手の実例)
🟥 試合用お弁当でやりがちなNG例
- ❌ 唐揚げやコロッケ、肉中心など脂っこいメニューが多い → 胃もたれの原因に
💡試合前は脂質はいらない。試合後なら条件付きでOK - ❌ 麺類だけで完結 → 栄養バランスが偏る
💡具材の工夫やおにぎり、フルーツなど他の糖質も組み合わせる - ❌ お弁当だけ → 後半失速しやすい
💡補食も持たせる
🟦 試合のお弁当は「いつ食べるか」で内容が変わる!
食べるタイミング | 内容のポイント |
---|---|
試合前に食べる場合 | 消化の良い糖質中心、脂質控えめ、たんぱく質は不要or少量 |
試合後(翌日も試合) | 糖質多め+たんぱく質で回復を促す(準備かつリカバリーが必要) |
試合後(次の試合まで数日) | 通常のリカバリー食(糖質+たんぱく質+ビタミン・ミネラル) |
いつ食べるかで、当然、目的が変わります。そのため、スケジュールが第2 or 第3試合で試合前に食べるお弁当なのか、第1試合で試合後に食べるお弁当なのかで内容が変わります。試合前に食べる内容なら、究極「小さなおにぎりたくさん+フルーツ、バナナ、カステラ、ゼリー、オレンジジュース、どら焼き、羊羹」みたいな感じでほぼ糖質だけの構成でも問題ありません。そして、試合後にリカバリーのために、「糖質+タンパク質」の組み合わせ(サンドウィッチなど)を摂取すると良いでしょう。


試合前のお弁当(サポートしている高校野球選手の実際のお弁当)
こちらの内容にバナナやスポーツドリンク、エネルギーゼリーなどを加えて、試合開始前+試合中のエネルギー補給ができれば、1試合を通して、パフォーマンスを発揮できる状態をキープできるのではないでしょうか?
✅ 試合当日お弁当の鉄則6選!
✅① 糖質中心でしっかり主食を食べる!持続的なエネルギー補給を
- 白ごはん、餅、パン、うどん、さつまいも、かぼちゃなど
- 消化吸収しやすく、動きながらエネルギーとして使える
- 100gあたりの糖質の含有量を踏まえてもごはんが効率よく糖質を摂取しやすい
✅② たんぱく質は基本的に“試合後”でOK
- 試合前 → 消化負担になるため控える(卵・ツナ程度ならOK)
- 試合後 → リカバリー目的でしっかり摂取(豚しゃぶ・鶏チャーシューなど)
💡試合開始4時間前に食べるなら、タンパク質も含め、バランスの良い食事でも良いが、試合開始時間に近づけば近づくほど、「糖質を最優先」に摂取すること。おにぎりの具材の量の程度なら、特に気にせずタンパク質も摂取してOK。試合後はリカバリーにタンパク質は必要なので、その時にしっかり食べないと、翌日以降のパフォーマンスに響いてくる。
✅③ 脂質は極力控えめに
- 揚げ物やマヨネーズ系は避ける
- 味付けはポン酢、梅、香味野菜でさっぱり感を出すと食べやすい
💡基本的に試合前は脂質を摂取するメリットは少ない。試合後も疲労感などから、吸収能力が落ちている可能性もあるため、脂質は少なめの方がベター。ただし、「試合後も関係なく食べることができる」+「睡眠までまだまだ時間がある」+「夏は体重が減りやすい体質」の場合は、試合後に脂質を摂取して、総カロリー量を増やすということも立派な戦略の1つ。
✅④ 野菜は“食欲増進”と“ビタミン補給”を意識
- トマト、きゅうり、大葉、ブロッコリーなど
- 酢の物や塩ゆでなど、冷たくてもおいしい副菜が◎
糖質最優先だが、余裕があれば緑黄色野菜などを摂取することでビタミン・ミネラルを補給できるだけでなく、水分摂取にもなるので、足の痙攣の予防などにもおすすめ。
✅⑤ 果物は“糖質の種類”を変えるエネルギー戦略!
- ごはん=ブドウ糖
- 果物=果糖
👉 両方を組み合わせて、エネルギーの“即効性”と“持続力”を両立!
🍎 おすすめ:バナナ/ぶどう/キウイ/冷凍みかん/果物ゼリー など
最近では、「パラチノース」という糖質も注目されています。糖質がゆっくり吸収されるため、エネルギーの持続時間が増えるという理由からです。(人によっては腹痛の原因ともなる可能性があるみたい)
💡基本的に栄養は、例えば同じ栄養素を摂取するとしても、1つの食べ物から大量に摂取するよりも、複数の食べ物から摂取する方がメリットは多い。1つ1つ含まれる栄養素や成分などが違うことや例えば「糖」でもいろんな種類があるため、それぞれ性質が違い、エネルギーに変わるまでの時間や持続時間等、多少違いが出てくる。そういった性質をうまく使うのも戦略。
✅⑥ 保冷と衛生対策も万全に!
- 保冷バッグ+保冷剤
- 抗菌シートや酢・梅干しを活用
- 夏場や遠征時は特に注意!
💡衛生面は特に気を付けるポイント。1食で腹痛や下痢等、今までの準備を全てぶち壊す可能性もあることを忘れない。夏場は特に保管する環境が重要。
🟩 タイミング別|おすすめお弁当メニュー例
🔵 試合前に食べる場合
- 鮭おにぎり (小さめたくさん。)
- ミニサンドウィッチ(ハム+きゅうりetc.)
- ミニトマト
- ぶどう、キウイ、バナナ
- オレンジジュース
👉 胃にもたれず、消化も良く、食べやすい工夫がポイント!
水分補給用の水やお茶も忘れずに。試合中やエネルギーを補給する目的ならスポーツドリンク

🔴 試合後に食べる場合
◆ 翌日も試合があるとき
- 鮭とごまの混ぜごはん
- 鶏肉チャーシュー
- 卵焼き
- カボチャのそぼろあん
- 彩り野菜のお浸し
- フルーツ
💡試合の準備のために糖質多め。リカバリーするためのタンパク質も必要。
◆ 次の試合まで日が空くとき(3日以上)
- ごはん
- 豚の生姜焼き
- 焼き魚
- 小松菜としらすの和え物
- ゆで卵
- ミニトマト
- フルーツ+スープジャー(味噌汁など)
💡基本的に「糖質+タンパク質」の組み合わせでリカバリーを意識。脂質は少なめの方がベターだが、内臓が強く、関係なく食べることができるのであれば、基本的に主菜はなんでも良い。糖質&水分もしっかり摂取することも忘れずに。
📋 チェックリスト|試合当日のお弁当づくりに役立つ!
チェック項目 | |
---|---|
食べるタイミングを考慮した内容か? | ✅ |
主食(糖質源)はしっかりあるか? | ✅ |
補食は準備してあるか | ✅ |
脂質は控えめになっているか? | ✅ |
果物で糖質バリエーションがとれているか? | ✅ |
保冷・衛生対策はできているか? | ✅ |
✅ まとめ|お弁当も「作戦」の一部!
- 試合当日は、**“食べるタイミングまで含めて戦略”**に!
- ごはん+果物で、エネルギーの即効性と持続力を両立
- 試合前は消化の良さ/試合後は回復を意識して組み立て
- お弁当は、保護者から選手への応援メッセージそのものです
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