【試合後の栄養戦略】高校球児のためのリカバリー食と“次への準備”を整える食べ方ガイド
目次
試合後の“食べ方”が、次の一歩を決める
試合が終わってホッとした瞬間から、もう次の勝負への準備は始まっています。
疲労を翌日に持ち越すか、スッとリセットできるか――その差は、試合後の“食べ方”次第です。
この記事では、**高校野球選手のための「回復を早める食事のポイント」**を、
翌日・2日後・1週間後といった試合間隔別にわかりやすく解説します。
保護者の方にも役立つ補食例や声かけのヒントもお伝えします。

なぜ“試合後の食事”が重要なのか?
身体の中では、何がどれだけ消耗している?
試合が終わった直後、体の中では…
- エネルギー源である糖質(グリコーゲン)が枯渇
- 筋肉の微細な損傷と、筋疲労
- 大量の汗による水分とミネラルの喪失
- 内臓やメンタルの**“見えない疲労”**
これらを放置してしまうと、翌日以降のパフォーマンスにも大きく響きます。
「リカバリーの質」が、次の動きに差をつける
- 翌日に試合がある
- 2日後に試合がある
- 1週間後が次の大会…
それぞれの状況に合わせた**“戦略的な食事”**が、回復の質を左右します。
ただ食べるだけでは足りません。目的に合わせて「何を・どれくらい・いつ」食べるかがカギになります。
試合間隔別|“次への準備”を支える食事の考え方
翌日に試合がある場合|「素早い糖質+消化の良いタンパク質」
- 試合直後:
- 糖質とタンパク質が摂取できる補食(鮭のおにぎり・サンドウィッチetc.)
- 水分+塩分の補給も忘れずに
- 帰宅後の夕食:
- ごはん+麺の糖質中心+鶏肉・魚・卵などの消化に良いたんぱく質
- 野菜スープやみそ汁で水分+ビタミンミネラル
試合後にすぐにしっかりと昼食が食べることができるのであれば、補食は軽めで昼食を食べましょう。1試合を通して、発汗による体重減少が予想されるので、水分補給をしっかりと行いましょう。
また、次の日が試合の場合は、リカバリーと共に試合の準備が必要です。「糖質」+「水分」を意識した食事がおすすめです。「リカバリー」+「準備」がキーワードです。
【試合前の食事戦略】高校野球選手のための1週間前〜前日までの栄養管理法|試合当日の動きを左右する“逆算ごはん”の考え方 - ほりさんの食選択応援Blog
2日後に試合がある場合|「リカバリー+試合の準備の両方」
- 試合当日夜にしっかり食べ、翌日を“栄養貯金の日”に
- 主食+主菜+副菜+果物+乳製品の食事の基本形をベース
- 発汗による脱水が想定されるため、水分も摂取できる汁物や野菜、果物もおすすめ
試合後は、同様にしっかりと昼食が食べることができれば、しっかりと昼食を食べる。昼食や夕食まで時間がある場合は、「糖質」+「タンパク質」が摂取できる補食を取り入れましょう。何も食べないというのは、あまり良いリカバリーではありません。例えば、第2試合(12時)前後からの試合だと、ゆっくりと昼食を食べている時間がありません。なので、何も食べないとなると、1食少ない状態です。それでは、栄養不足によるリカバリー不足や体重減少によるコンディション悪化につながる可能性があります。
また、基本的に試合の2日前から、試合の準備をしていきたいので、夕食は基本的な食事の形をベースに、糖質を多めに摂取できる食事が良いでしょう。

1週間後に試合がある場合|「疲労を残さない通常リカバリー」
- 試合当日中にリカバリーする
- 翌日の普段通りの練習・日常生活の準備
- 無理せず、体の声に合わせた食事と休息でコンディションを整える
その日のうちにリカバリーする。その意識が、翌日以降のパフォーマンスアップにつながります。試合で枯渇している「糖質」とリカバリーに重要な「タンパク質」、体の機能を正常化させる「ビタミン・ミネラル」、「水分」をしっかり摂取することが必要です。とはいえ、試合が1週間後となると、次の日がオフの場合も多いのではないでしょうか。翌日、試合が2日後のスケジュールに比べると、準備までに余裕があるので、選択肢の幅を広げ好きなものを食べても良いと思います。胃腸が強い選手は、問題ないかと思います。しかし、試合での緊張などにより、思っている以上に内臓が疲れて弱っている可能性があるので、消化の負担が少ない料理の方が無難だと思います。しゃぶしゃぶや鍋物がとてもおすすめです。「糖質」+「タンパク質」+「ビタミン・ミネラル」+「水分」が同時に摂取できます。肉や豆腐、卵、野菜をしっかり摂取できて、ごはんや麺もうまく組み合わせることができる。そして、脂質も少ない。こんなにすばらしい食べ物はありません。

試合直後・帰宅後の食事プラン例
30分以内|“早めの一口”で回復スイッチON!
- エネルギーゼリー
- 小さめのおにぎり(鮭むすびなど)
- フルーツジュースや果物
- カステラ、バナナ
※補食は“すぐ食べられる・一口サイズがポイント
国際的にも、国内でも試合後のリカバリーのための糖質摂取ガイドなど、多くの症例が紹介されています。Sports Dietitians Australia(SDA)のリカバリーガイドライン、国立スポーツ科学センター(JISS)などでも、糖質の摂取量の目安が提示されています。運動直後は、栄養素の吸収が早く効率が良いという理由で、運動直後の食事からのリカバリーが推奨されています。数時間後や翌日も試合がある場合は、素早いリカバリーも重要です。ただ、次の試合までに3日以上ある場合、1日で必要な糖質量を摂取できれば、グリーコーゲンの回復に大差はないと言われているので、量をしっかり確保するということも大切です。
帰宅後の夕食|「リカバリー+次の準備」のメインタイム
- 主食(ごはん・うどんなど)
- 主菜(鶏むね肉、白身魚、卵、豆腐など)
- 副菜(温野菜、冷やしトマトなど)
- 汁物(みそ汁、スープ)
- 果物(キウイ、オレンジ、バナナ)
※遅い時間になるときは、量と消化に注意!
選手に伝えたい、試合後の「食」の心構え
「疲れたから何も食べたくない」――
でも、それでは回復は遅れてしまいます。
試合後の食事は、**次の1プレーを支える“準備の時間”**です。
練習試合では、特に負けたときこそ、「ちゃんと食べて、また明日がんばろう」と気持ちを切り替えるきっかけにもなります。
本気で勝ちたい選手は、試合のあとも“食べること”を手放しません。
保護者ができるサポートとは?
- 移動が長引きそうな日はすぐに食べられる補食を保冷バッグに
- 帰宅後は「これ食べて寝ようね」と言えるようなリカバリーメニューを
- 「勝っても負けても、しっかり食べて、また頑張ろう」
そんな声かけが、選手の心と体を一緒に支える力になります
まとめ|試合が終わった瞬間から、“次への準備”が始まっている
- 試合後の食事は、“回復を早める”ための栄養戦略
- 回復スピードが速い選手ほど、翌日・次の試合でパフォーマンスを発揮しやすい
- 「タイミング・内容・量」を考えた“戦略的な食べ方”で差をつけよう
▶ 試合当日の食事記事はこちら:
【試合当日を勝ち抜く!】高校野球選手のための食事と補食戦略|時間別・状況別に徹底解説! - ほりさんの食選択応援Blog
▶ 前日の食事はこちら:
【試合前の食事戦略】高校野球選手のための1週間前〜前日までの栄養管理法|試合当日の動きを左右する“逆算ごはん”の考え方 - ほりさんの食選択応援Blog
📩 栄養相談・セミナーのご依頼はこちらから!
私はこれまで、プロ・社会人・高校生など幅広いアスリートに向けて、
全国各地で年間50件以上の栄養セミナーや講演を行ってきました。
ラグビーチームに帯同しながら“試合現場でのリアルな食事設計”を行ってきた経験を活かし、
高校球児や保護者・指導者の皆さんにも、実践的で柔軟なサポートを行っています。
✅ 高校球児向けの“試合を想定した食事戦略”
✅ 保護者・指導者向けの“準備・声かけ・食事の工夫”
✅ チームごとの課題に合わせた“個別対応”も可能です!
📩 セミナーのご相談・記事監修のご依頼は、以下からお気軽にどうぞ!
🔗 ▶ お問い合わせページ:https://hori3.com/contact/
💬 「こんな内容を話してほしい」など、ざっくりとした相談も大歓迎です!