畑日記 農業

芽が出ない、育たない。それでも前に進む|北海道・天塩町“0からの畑日記”#10

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7月18日、前回の種まきから約2週間ぶりに天塩町の畑を訪れました。
期待して向かったものの、目の前に広がっていたのは…ほとんど芽が出ていない春菊の畝

マルチ穴は全部で856ヶ所。そのうち、本葉が3〜4枚まで育っていたのは、わずか50株ほど。思っていた以上に厳しい現実が待っていました。

ハーブは全滅、ほうれん草はとう立ち…

パクチーとつるなしインゲンは、2/3ほど生き残っていたのが唯一の救い。
一方で、7月上旬に芽が出たハーブ類はすべて枯れてしまい、跡形もない状態。
さらにショックだったのは、ほうれん草。間引きのタイミングを完全に誤り、2週間で一気にとう立ちしてしまいました。
結局、収穫はできず、このまま畑にすき込んで堆肥化することに…。

パクチーは元気そう。乾燥に弱いので心配してましたが、春菊より育ってました。根が強いということもあるみたい。

唯一、とう立ちしていなかったほうれん草。間引きしていないので、小さいし、色も心なしか薄い気がする。少し、味見しましたが、あんまり味がしませんでした。

🌿 元気なのは「草」だけ…!

通路も畝も、一番元気に育っていたのは雑草たち
「もういっそ、この草を売る方法を考えるか…(冗談です)」と、笑うしかないような状況。

そんな草を一心不乱に引っこ抜いていると、ふと誰かに見られているような気配が。
顔を上げると、となりの放牧場の牛さんがこちらをじっと見つめていました。
なんだか慰められたような気持ちになって、ちょっと救われた気分に。

それにしても、草だけ食べて、どうしてあんなに大きな体になるんだろう。
毎回思うけど、牛さんってやっぱりすごいなあ。

緑色のところは、草です。笑 これが作物ならな、、、

全部、6月に刈ったのに、もうこんなに元気に生えてきた。生命力は見習うべし。

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これまた、元気な謎のくさ。笑 これが売れれば、、、

牛を見ると癒される。美味しい春菊をプレゼントと思ったけど、牛さんは春菊とかハーブ類とか、香が強いものは食べないらしい。

🔍 なぜ失敗したのか?気づきと分析

今回の失敗の原因として考えられるのは、以下のような点です:

  • 種まき後すぐの2日間は雨が降ったものの、その後の高温・乾燥で水分不足になったこと
  • 春菊は25℃以上の高温では育ちにくい特性があること(今年は北海道も異常な暑さ)
  • 芽が出ていないマルチ穴の土を触ってみると、まだ硬さが残っており、芝の根が残っていたり、ネズミ色〜黄土色の硬い層がある箇所も
  • 全体的に葉の色も薄く、窒素不足の可能性も

つまり、環境的にも土壌的にも、まだまだ改善点が多いということが分かりました

📉 今年の収穫予測と、率直な気持ち

このままいくと、8月に収穫できるのは春菊がほんの少し、パクチーが1kgあるかないか
完全に大赤字です。

悔しい気持ちがないと言ったら嘘になります。
でも、それ以上に、「やってみたからこそ、わかったこと」がたくさんありました。

大きく育っているものもあり。ただ、色が薄い気がする。このまま元気に育っておくれ。春菊とパクチーの名前は決めましたが、お披露目は来年か?今年、売れる分はあるのか?

🌾 これからの方針:「土づくり」と「未来への準備」

作物は育たなかったけれど、草が育ったということは、土はそこまで悪くないかもしれない
茨城のお世話になっている農家さんにも「草が元気な畑は、可能性がある」と言われました。

来年に向けて、今やるべきは…

  • 芽が出なかった部分の硬い層を改善する土づくり
  • 秋に緑肥(特にマメ科)をまいて、窒素補給と根の改善
  • 来年春のすき込みと耕運の準備

今は、「来年、もう一度チャレンジするためのスタート地点」に立っているのだと思っています。

🧭 成功するまでやる。それだけ。

農業に限らず、何かを始めるときに「うまくいく保証」なんてありません。
でも、成功するかどうかじゃない。成功するまでやるかどうか。
それだけなんだと思います。

畑は失敗でも、こうして北海道に来れて、ちょっとした時間に温泉に行ったり、オロロンラインを運転しているだけでも、やはり楽しい。本業が忙しく、とてつもなく追われていますが。笑

明日、帰りますが、北竜町のひまわり畑によっていこう。それはとてつもなく、楽しみ。そして、まさかの月曜祝日の影響なのか、マイルでの航空券が満席。新千歳空港の温泉で仮眠して、朝1番の飛行機で帰郷。そのまま仕事へ。なかなかハードなスケジュールだな。まぁ体力も強みだからね。いつか笑い話になるようにがんばりましょう。

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