【みそソムリエが語る】味噌の歴史と文化の魅力|1000年続く発酵の知恵
2025/04/14
こんにちは、スポーツ栄養士&みそソムリエのほりさんです。 先日、熊本で開催された「みそソムリエ認定講座」に参加してきました!
実は昔から味噌汁が大好きで、講座でも味噌の話をすることが多かったのですが、 今回はもっと深く味噌を知りたくて、熊本まで足を運びました(熊本のご当地グルメも楽しみで…笑)。
これからは、管理栄養士としての視点とみそソムリエとしての知識を活かして、 日本のみならず、世界にも味噌の魅力を届けていきたいと思っています!
目次
味噌ってどんなもの?その深い歴史へ
みなさん、「味噌」と聞いて何を思い浮かべますか? 味噌汁、鯖の味噌煮……といったイメージが強いかもしれませんね。
でも実は、味噌には1000年以上の歴史があり、 全国各地でまったく異なる味・香り・色・文化が育まれてきたんです。
味噌は発酵食品。 工場で作られる味噌は温度や湿度を厳密に管理し、 安定した品質が保たれています。
しかし、家庭で手作りすると不思議なことが。 同じ材料・同じ分量でも、作る人によって味が変わる——。 それは、人それぞれが持つ常在菌の違いが影響しているからです。
まさに、世界に一つだけの“あなただけの味噌”ができる。 これって、すごくロマンがありませんか?
1000年以上の歴史をもつ味噌のルーツ
味噌のルーツは、紀元前700年ごろの中国に遡ります。 当時「醤(ジャン)」と呼ばれる発酵食品が存在しており、 肉・魚・野菜・穀物を塩で発酵させて作るものでした。
「醤(ジャン)」はやがて日本にも伝わり、701年の「大宝律令」に “未醤(みしょう)”という調味料の記載が登場。 これが日本における味噌のはじまりとされています。
901年には「味噌」の文字が文献に登場し、 927年の「延喜式」には、贈答品や貴重な保存食として味噌が記載されました。
当時は高級品だった味噌。時代を経て、庶民の食卓にまで広がっていく物語がここから始まります。
鎌倉〜戦国時代:みそ汁文化のはじまり
鎌倉時代、「すりみそ」が登場し、 具材と相性がよく溶けやすいことから「味噌汁」が一般的に。
これにより、「一汁一菜」という食生活が定着。 質素ながら栄養バランスがとれたスタイルが広がりました。
戦国時代には、保存性と栄養価の高さから味噌が兵糧として重宝され、 伊達政宗が「御塩噌蔵(ごえんそぞう)」という日本初の味噌工場を設立。
味噌は、戦う武将たちの“命を支える食”として広まり、 日本全国での生産が本格化していきました。
江戸時代:調味料としての定着
江戸時代に入ると、 都市化の進行により、手作りから“買う味噌”へと変化。
味噌のブランド化や専門店の誕生、料亭による「なめみそ」文化も発展し、 鯛みそ・木の芽みそ・柚味噌など多彩な味噌料理が生まれました。
味噌は「家庭の味」から「文化の象徴」へと成長していったのです。
明治以降:大量生産とインスタント化の波
明治時代の産業革命により、 味噌は機械化・加熱処理されるようになり、 「変色しない・再発酵しない味噌」が求められるように。
その結果、菌を“失活”させる味噌が主流となり、 本来の「生きた発酵食品」としての魅力は薄れていきました。
昭和に入り、だし入り味噌やインスタント味噌汁が普及。 忙しい現代人にとっては便利な一方で、 「味噌=みそ汁」のイメージに固定されてしまったという面もあります。
現代とこれからのみそ文化
現在では、フリーズドライなどの技術も進化し、 味噌本来の香りや風味を手軽に楽しめる商品も増えてきました。
私は、某コンビニの長ネギの味噌汁が好きで、 お酒のシメがカップラーメンから味噌汁に変わったくらい(笑)
食事は「量×時間×頻度」。 心のご褒美は、自分の体と相談しながら選ぶ時代です。
そして今、味噌は再び注目されています。 健康志向・発酵ブーム・腸活といったキーワードとともに、 国内だけでなく、海外からの人気も急上昇中!
味噌の輸出量は年々増え、いまや10万トンを超えるほどに。
まとめ:味噌は、未来の健康を支える伝統食
日本人の味噌消費量は減ってきているけれど、 私たちが守り・広めていく価値のある素晴らしい食文化です。
みそソムリエとして、これからも味噌の魅力を伝えていきます! 次回は、「味噌の種類」についてご紹介する予定です。どうぞお楽しみに。
🍲 味噌に関するシリーズブログはこちら
- 味噌の歴史と文化(今回の記事)
- 味噌の種類と地域の味の違い
- 手作り味噌の魅力と作り方
- 管理栄養士がすすめる味噌の健康効果
- 味噌汁以外の活用術|アレンジレシピ集
- 海外でも味噌が人気?輸出の現状とこれから
それでは、また次回!