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初心者向けファスティング実践ガイド〜栄養士が3日間のファスティングに初挑戦〜「注意したいファスティング後の回復食」

2024/11/11

前回は、断食期の3日間の様子を紹介しました。驚くほど、何も苦痛はなく、いつも通りに過ごすことができました。なかなか、レアなケースなのかもしれません。それとも鈍感なだけなのか。https://hori3.com/archives/200

今回からは、回復期の食事の様子を紹介します。個人的には、この期間が1番厳しいと感じました。

ファスティングは回復食が重要! 「焦りは禁物」

1週間のファスティングの中で、個人的に1番重要で、1番大変なのは、「回復期」だと感じました。とにかく、ポイントは「焦らないこと。」食べたい気持ちを抑えて、徐々に慣らしていくことが必要です。断食中は、胃腸や内臓を休めるため、何も食べません。そのため、胃腸の中は空っぽの状態です。そこにいきなりいつもと同じ食事をしては、胃腸や内臓に大きな負担がかかります。みなさんも運動前にはウォーミングアップを行いますよね?胃腸も同じです。ファスティングが成功するか失敗するかは、この回復食にかかっているといっても過言ではありません。3日間食べていなかったので、胃腸の機能はいつもより低下している可能性があります。なので、満腹まで食べるのはNGです。「腹8分を心がけること」「消化の負担が少ない食事」をすることが大切かと思います。「断食期」と同じ期間、「回復期」に時間をかけましょう。体調によっては、「断食期」よりも長い時間をかけて、通常通りの食事に戻して行っても良いかもしれません。とにかく、焦りは禁物です。

最初の1日目におすすめの回復食

復食期に入り、やっとごはんが食べることができる喜びで、食べたいものを思いっきり、食べたくなりますが、ここでの焦りは禁物です。ここでの我慢が1番大変かもしれません。特に回復食の1食目は、様子を見ながら、無理は禁物です。私も1食目は「重湯」からスタートしました。普段の生活だと、重湯では到底満足できないでしょう。ファスティング明けは、それがびっくり。塩を入れなくても、十分に満足でき、温かいものを食べる喜びを感じると思います。胃腸が温まる感覚もありました。そのほか、1食目は「茹で大根の汁」や「具なしの味噌汁」もおすすめです。

回復食のメインは「お粥」がおすすめ

回復期では、胃腸の負担が少なく、水分も摂取できる食事がおすすめです。また、温かいもので味付けもシンプルなものが良いのではないかと思います。そういった観点からも、「お粥」はおすすめです。ファスティング後は、味覚が敏感になります。お米の甘みも十分に味わうことができ、薄味でも満足できると思います。

久しぶりの食事で感じたこと
  • おかゆのあたたかさ

  • 食べることができる喜び

  • お米の味、本来持つ甘さ

  • 味覚の鋭さ

食べることができる幸せ、ありがたみを再確認。心も体も大満足でした。

おいしいお粥の作り方

炊いたごはんや炊飯器でもお粥は作ることができますが、ぜひ、たまには、生のお米からお粥を作ってみてください。1から時間をかけて作ったお粥は一味違います。また、白粥から、いろんなお粥にアレンジも可能なので、作って保存しておいても良いでしょう。(春菊鶏粥がめちゃくちゃおすすめです。)https://hori3.com/archives/3117

お粥の基本 こめ1:水5

お粥を作るとき、大切なことは、水分量かと思います。基本的に米1に対して、水5と覚えておけば問題なしです。生の研いだ米が100なら、水は500cc必要です。美味しく作るためのポイントは、まず、お米を研いで、浸水させておくこと。夏場なら30分、冬なら60分が目安です。浸水しておくことで、米の中心部まで熱が通りやすく、でんぷんを十分に糊化させるためです。お米を浸水させておくことで、火をかける時間も20-30分と通常より10分以上短くすることができます。また、鍋に水を入れ、沸騰したお湯の状態のものに、しっかりと水を切った米を入れましょう。水の状態から、米を入れて沸騰させる方法でも良いですが、沸騰したお湯の状態から、米を入れる方がサラッと仕上がる感じがします。米を入れたら、最初のうちは、5-10分かき混ぜましょう。だんだんととろみがついてきます。後は、お好みの柔らかさになるまで、火をかけます。サラッとしたお粥になますが、温度が冷めてくると、しっかりと粘りがあるお粥になります。この白粥が基本で、そこに具材や味付けをしたスープに白粥を混ぜることで、さまざまなお粥にアレンジすることができます。

復食期1日目の夕食 キーワードは「やさしく・やさしく」

回復食1日目の朝は「重湯」からスタートして、昼は「白粥」と「大根の煮たもの」(お湯で煮ただけにひとつまみの塩)を入れたものを食べました。そして、だんだん胃腸が慣れてきたので、夕食からいよいよ具材を増やし、味付けも塩以外のものを開始しました。

復食期1日目

献立

  • かぶのおかゆ
  • 長芋の煮物
  • 小松菜と人参の味噌汁

カブ粥

かぶのおかゆ

  • 米 40g
  • かぶ 1/2個
  • かぶの葉 3cm
  • 塩 少々
  • 水 200cc

*今回は炊飯器で作りました。米を研いであとは、炊飯器のかゆの線に合わせて、水とかぶを入れてスイッチを押すだけ。

長芋煮

長芋の煮物

  • ながいも 40g
  • 万能ネギ 5g
  • 白ごま 3g
  • 出汁 100cc
  • 酒 小さじ2
  • 薄口しょうゆ 小さじ1

小松菜の味噌汁

小松菜と人参の味噌汁

  • 小松菜 10g
  • 人参 5g
  • ねぎ 3g
  • 出汁 120cc
  • 味噌 7g

1日目は、とにかく無理をせず、温かく消化の負担が少ない食事をすることが大切です。お粥をメインに糖質の消化を助けてくれる消化酵素が含まれている「かぶ」・「大根」をうまく組み合わせると良いでしょう。今回は、かぶをお粥にしたので効果は薄くなるかと思いますが、「かぶ」や「大根」には「アミラーゼ」という糖質の消化を促進する酵素が含まれてます。「アミラーゼ」は熱に弱いことが弱点ですが、うまく活用できると、胸焼けや胃もたれの症状を改善する効果があるとされています。この働きを最大限生かすなら、すりおろして、大根おろしや生の状態で食べることがおすすめです。消化自体も良い食材なので、回復食にもとてもおすすめです。「長芋」も消化の手助けをしてくれるだけでなく、「胃腸の粘膜を守る」働きがあるのでおすすめ食材です。

回復食2日目以降のプラン

回復食2日目以降も考え方は同じです。焦りは禁物で、お粥や味噌汁を中心とした胃腸に優しい食事を心がけましょう。胃腸の状態を見ながら、大豆製品や卵、豆からタンパク源も少しづつ、取り入れ、白身魚や鶏肉(胸肉やささみなど)へとステップアップしていきましょう。そうすることで胃腸や内臓の負担も少なく、さらに機能も回復してくると思います。調理法としては、「煮る・蒸す・茹でる」中心で柔らかくする方が安心です。とにかく、ポイントは「やさしく・やさしく」です。まだまだ、胃腸は本調子ではなく、ウォーミングアップの状態です。

回復食2日目の夕食

復食期2日目

献立

  • かぶとたけのこの中華粥
  • 蒸しキャベツとキノコのおろし和え
  • じゃがいもと枝豆の塩煮
  • たまねぎの味噌汁

中華かゆ

かぶとたけのこの中華粥

  • 米 40g
  • かぶ 1/2ヶ
  • たけのこ 10g
  • かぶの葉 2cm
  • 水 185cc
  • 酒 大さじ1
  • 鶏ガラスープの素 3g
  • 塩 少々

*今回も炊飯器で作りました。分量の水と調味料、材料を入れてスイッチを押すだけ

蒸しキャベツ

蒸しキャベツときのこのおろしポン酢和え

  • キャベツ 50g
  • しめじ 10g
  • 大根おろし20g
  • ポン酢 適量

ルクエ

*ルクエにキャベツときのこを入れて、レンジでチンするだけ

じゃがいもの塩煮

じゃがいもの塩煮

  • じゃがいも 1個
  • 枝豆 10粒
  • にんにくのすりおろし 3g
  • 白ごま 3g
  • 出汁 100cc
  • 酒 小さじ1
  • 鶏ガラスープの素 3g
  • 塩 少々

にんにくはお好みで。*パンチのある味が好きな方は、おすすめ。

人参の味噌汁

たまねぎと人参の味噌汁

  • たまねぎ 10g
  • 人参 5g
  • 万能ねぎ 少量
  • 出汁 120cc
  • 味噌 7g

徐々に固形物も増えてきて、難なく食べることができるでしょう。胃腸の状態も完全に復活したと思うかもしれませんが、まだまだ焦りは禁物です。ここで焦って、好きなものを食べると酷い目に遭います。笑 もう2-3日様子を見ましょう。お粥から、徐々にお米にしていっても良いと思います。おそらく多くの方が感じると思いますが、味覚が鋭くなっているので、薄味でOK。素材の味を十分に感じてください。(1ヶ月くらいは鋭かったです。)

回復期3日目も焦らないこと! 焦ったら台無し

回復期も3日目になると、胃腸も回復してきて、もう大丈夫だと感じると思います。しかし、ここで焦って好きなものを食べるととんでもないことになる可能性があります。繰り返しになりますが、3日目も胃腸に優しい食事をすること。タンパク源などは少し増やしつつ、量も少し増やして、栄養素のバランスも少し意識できると良いと思います。ここまでは、どちらかかというとタンパク質が不足気味のメニューとなりやすいと思います。果物や野菜の量も増やし、ビタミン・ミネラルも補強するのも良いでしょう。

発酵食品をうまく活用しよう

ファスティングによって、胃腸や内臓が休まり、腸内環境を向上させるためには、好ましい状態になっているのではないかと考えられます。腸内環境を向上させるためには、さまざまなアプローチが必要ですが、1つポイントしては、「善玉菌をパワーアップさせること」です。腸には、「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」といった3種類の腸内細菌が住み着いており、この細菌のバランスによって、私たちの体は大きく変化します。生活習慣が乱れると悪玉菌の働きが強くなり、体にネガティブな反応が起こりやすくなります。善玉菌は主に腸内で「発酵活動」、悪玉菌は「腐敗活動」をするとされています。実はどちらも、体のためには、必要な菌です。大切なのは、「善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランス」です。悪玉菌の働きが強くなることで、日和見菌も悪玉菌チームに入り、腐敗活動を行います。腸内環境を向上させるには、「善玉菌をパワーアップさせ、日和見菌も味方にしたいです。」善玉菌をパワーアップさせるために必要なことは、「善玉菌に毎日エサを与えること」です。1回ではなく、毎食、善玉菌のエサとなるものを摂取することがポイントです。そこで大きな手助けとなるのが「発酵食品」なのです。発酵食品は、善玉菌のエサとなるだけでなく、「ビタミン・ミネラルが豊富」でさらに、「消化の負担も少ない」ので、回復食にはうってつけの食べ物と言えるでしょう。タンパク質も摂取できる「納豆」は最強食材だと思います。

回復期3日目に食べたいものを食べた結果・・・

ここまで、「回復期」も3日目に入り、体調も良く感じていたので、ついに昼にどうしても食べたくなってラーメンを食べました。「タンメン」なら野菜中心だし、大丈夫だろうと思ったのが悲劇の始まり。食べ初めは、やっぱり美味しいなと思いながら、楽しんでいたのですが、半分を食べたくらいから、急にまず満腹感を感じてきました。胃腸が小さくなっていることをすっかり忘れていました。ただ、残すのは悪いと思い、なんとか完食。その直後から、吐き気が止まらず、結局全部無駄に。夜まで、胃腸の状態が優れませんでした。「断食期」が3日間なら、最低でも「回復期」は3日間必要かと思います。ぐっと我慢してください。頑張ってきた6日間が台無しになってしまう可能性があります。食べたいのに、好きなものを食べることができない。そういった意味では、この「回復期」が1番辛いのかもしれません。これからの生まれ変わる自分自身を想像して、乗り切りましょう!「回復期」がファスティングの集大成!

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