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初心者向けファスティング実践ガイド 〜栄養士が3日間のファスティングに初挑戦〜「ファスティングの効果と結果」

2024/11/11

1週間のミネラルファスティングを終え、約1ヵ月近く経ちました。体調は良好です。この間にもいろいろな変化がありました。その様子も踏まえ、「ファスティングの効果」や体への影響などをお伝えします。前回は、回復期の様子をお伝えしました。https://hori3.com/archives/142

ファスティングの効果は?

今回、1週間のミネラルファスティングを終え、体にさまざまな変化が起こりました。実際の「断食期」に感じたことやファスティングを終えたその後の体の様子などもお伝えします。「準備期」からの様子も前回の記事で紹介しているので、こちらも参考に「ファスティング」に興味がある方は、実施するかどうか考えるきかっけとなれば幸いです。世の中には、いろいろな専門家がおり、それぞれいろいろな背景がある中で、ファスティングについて意見をしています。私は、「肯定派」でも「否定派」でもありません。「興味があれば、やってみてもいいんじゃないか?感じることはたくさんあるだろう」ただ、「取り急ぎ、マストでやらなくてもよいもの」、「まぁどっちでもいいんじゃないか?」くらいのスタンスです。

ファスティングによる身体への影響

ポジティブな変化

  • 体重・体脂肪が落ちた
  • 肌がきれいになった
  • 体にあった出来物がなくなった
  • お腹まわりがスッキリした
  • スッキリ感を身体の内部から感じた
  • 寝つきが良くなった
  • 味覚が繊細になった(1-2ヶ月は続いた?)
  • 食事や健康に対する考え方を再考するきっかけとなった
  • 生活リズムを修正するきっかけとなった
  • 健康のありがたさを感じた
  • もう1度体づくりをしっかり行いたいと思うようになった

デメリット

  • 1日の活動量が自然と少なくなった
  • 身体が省エネモードに入った
  • 自転車をに乗ったが疲労感を感じた
  • 内臓の機能(消化能力)が低下した可能性
  • 胃が小さくなった
  • 筋肉量が少なくなった
  • 料理経験が少ないと、準備期・回復期の食事の準備が大変な気がする(レパートリーが少なくなりそう)
  • 酵素ドリンクが、特別おいしいというわけではない(ダメな人はダメな味)

*体重の変化

・体重52.2kg→49.5kg  2.7kg↓

・体脂肪率10.5%→7.2% 3.3%↓

(体脂肪率は測定法によって誤差があるので目安程度で考えてください。)

*TANITA 体組成計で測定

体脂肪

ファスティングを成功させるためのポイントは「事前準備」

ファスティングを成功させるために、まず押さえておきたい点は「ファスティングの目的」を確認しておくこと。「ファスティングとは何か?」そのことを正しく理解して、「本来のファスティングの目的」と「自分のやりたいこと、望んでいること」とずれがないか。そのことをまず、押さえておきましょう。 「ファスティング」=「断食」・「絶食」という意味ですが、主な目的は「一定期間、断食することで、胃腸や内臓を休め、本来持つ体の機能やリズムを取り戻す」ことです。過食、偏食、欠食など普段の食生活の乱れは胃腸や内臓の疲弊につながり、腸内環境の悪化や疲労の蓄積など、健康を損なうことにつながりかねません。胃腸を休めることで、一度、疲れた胃腸をリセットし、新たなスタートとするきっかけになるのが「ファスティング」なのではないでしょうか?

「ファスティング」=「ダイエット」ではなく、大切なのことは太った根本的な原因と向き合うこと

「ファスティング」を行うことで、得られるポジティブな効果は多いとされています。その1つに「ダイエット効果」があります。私も1週間のミネラルファスティングを行い、2.7kg体重が減少しました。おそらく、「ファスティング」をやると、ほとんどの方が減量することができると考えています。なぜなら、摂取するものが基本的に酵素ドリンクと水なので、エネルギー源となるものが酵素ドリンクしかありません。そのため、1日の摂取カロリーが約600kcal前後になります。体重や筋肉量などによって、基礎代謝量は変わってきますが、一般的に成人男性の平均は1500kcal、女性の平均は1100kcalとなります。(e-ヘルスネット,厚生労働省)1日のエネルギー消費量は、「基礎代謝量」+「運動や日常生活など身体活動」・「食事誘発性熱産生」の3つで構成されます。つまり、人が生きていき、さらに体重を維持していくためには、身体活動量によって変化しますが、成人男性で2200-3000kcal、成人女性で1700-2300kcal必要です。そのような状況で、1日の摂取カロリーが600kcalなら、それは誰でも体重が減少します。勘違いされがちですが 「酵素ドリンクを飲んだから痩せた」のではなく、「酵素ドリンクしか飲んでないので痩せた。」必要なエネルギー量に対して、摂取するエネルギー量が少ないから、体重の減少につながっているという事です。「体重が痩せるなら、いいんじゃないか?」と考える方も多いと思いますが、大切なことは、「何が減って体重が減少したか?」ということです。体重は主に「筋肉(内臓)+体脂肪+骨+水分」で構成されています。私は、見た目からの変化や今後の健康などを考えると、多くの方が理想とする減量は、「体脂肪が減少すること」だと考えます。体重ではなくて、あくまでも体脂肪。極端に言えば、体重が3kg減ったとして、「筋肉量や体水分量の減少で3kg体重が減ったのか」or 「体脂肪が減少して、3kg体重が減ったのか」で全く意味が変わってきます。「ファスティング」をして、体脂肪が減少したら、それはとてもポジティブなことですが、筋肉量や水分も同時に大きく減少したら、あまり望ましいこととは言えません。

また、体脂肪が蓄積した主な原因を特定し、生活習慣や食習慣を変えない限り、体重はすぐに戻ります。私は大体、3ヶ月くらいで元の体重に戻りました。なので、ダイエットしたいなら、まず「ファスティング」をするのではなく、生活習慣の改善や体脂肪を減少させるためにやっていくべきことを明確にしてください。そして、行動し、継続してください。人は3ヶ月続けることができれば、習慣となるとされています。

ここまでまとめると、「ダイエットしたいから、ファスティングをする。」 これは、少し、本来の目的とはずれているのではないかと考えます。 一時的に体重は落ちても、 根本的な生活習慣を見直さなければ、 リバウンドして体重が戻るだけだからです。 本来の目的や腸内環境を整え、細胞を活性化させるために「ファスティング」を行うのは構いません。そして、その結果、体重が減少したというのであれば納得です。ダイエットをしたいから、ファスティングをやるという場合は、1度立ち止まり、「自分の生活習慣や食習慣で改善すべきこと」、「ファスティング後、やっていくべきこと」を明確にするという事前準備を行ってから、専門家の元で「ファスティング」をやりたければやってください。残念ながら、ダイエットは、そんな甘いものではなく、自分の体とどれだけ向き合い、考えていくかが大切で非常に労力がいります。そして、本来は、結果が出るまで時間がかかりやすいものです。短期間で減量する方法もたくさんあり、人によってはその取り組みも必要なことはあります。(アスリートやどうしても短期間で減量しなければならない事情がある人)しかし、一般的に、「1ヶ月で10kg痩せる!」というようなキャッチコピーを聞いたら、疑問を持ち、それには裏があり、特殊なことをやっていると思って欲しいです。果たして、1年後も同じ取り組みができるのか?もしそのような方法で減量をするなら、ある程度の「覚悟」は必要かと思います。

ファスティングをする方に最後に伝えたいこと

ファスティングを通して、私が感じたことは、「食べたいものを食べたいときにおいしく食べることができることは、なんと幸せなことなのか。」ということ。そのような環境を作っていただいているすべての方、そして、動物・植物に改めて、感謝の気持ちを抱きました。「ファスティング」をやることで体の中では「ポジティブな変化」も「ネガティブな変化もどちらも起こります。」そのような体の変化を感じるだけでなく、食に対する考え方や生活習慣を振り返るきっかけになれば、さらに「ファスティング」が充実したものになるのではないのでしょうか?せっかく、やるのであれば、最大限効果が出るようにやって欲しいです。(決して、「ファスティングをやろう」と言っている訳ではありません。私は1回しかやってませんし、これからも継続的にやろうとは今のところ思ってないです。)

「食べること」=「生きること」=「本能」

「食べること」=「生きること」であり、生き延びることは、私たちの本能です。なので、言わば食事も本能と呼べるものではないでしょうか。だからこそ、食事の時間を大切にし、毎日1%でも改善し続けることができれば、長い目で見たときに、大きなポジティブな変化を生み出し、豊に生きることにもつながるのではないでしょうか。「自分の目的に合わせて食選択ができるようになる。」多くの選択肢や情報の中から、 その都度自分にベターな食事を選択し、積み重ねていく。そのような力を身につけることができたらよいと思いませんか?

食事には生きるための栄養素を摂取するだけでなく、様々な役割があります。
1.コミュニケーション
2.しつけ
3.伝統
4.文化 etc.

私は、「〇〇制限」「〇〇抜きダイエット」・「〇〇ダイエット」など、「何かを特定のものだけを食べない」または、「特定のものだけを食べる」というやり方は、 生きることや、私たちの本能に逆行している気がしてなりません。 もちろん、そのような方法にもメリットがあり、 取り入れたほうが良い場合もあります。 しかし、一般的にはそのような方法は必要なく、「しっかりと自分で食事をコントロールをする力」を身につけること、そして、「よく(良く・たくさん)食べること」ができれば、自分の思い描いた体や目的を十分に達成できると考えます。 ぜひ、「人として、本能のままに食事を楽しんでほしい」と思います。(もちろん、欲望だけでは肥満になりますのでご注意を。)
食事は生きるために必要不可欠なものであるからこそ、自分の目的に合った食事を選択し、質の良いものを継続していく。それが、幸せにもつながっていく。「ファスティング」をやりたいなと思っている方は、「自分の体や健康に向けて、何かを変えたいなと思っている。」または、「ファスティングをすることで得られるポジティブな変化に大きなメリットを感じている」という方で、自分の体に向き合うことができているor向き合いたいと思っている方だと思います。この機会にファスティングだけでなく、日常の生活習慣・食習慣でも改善できることはないかと考えるきっかけとなればうれしく思います。

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