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さぁ行こう! シドニー おすすめ・オーガニックスーパー

2024/11/12

〜ほりさんのシドニー滞在期8〜

シドニーのオーガニックスーパーとは?

スポーツ栄養といえば、「アメリカやオーストラリアに行け!」と言われるくらい、アメリカやオーストラリアは、栄養学の研究が最先端です。そのため、オーストラリアは、国をあげて、「国民の健康に向けての政策」が充実しており、施設やお店など食を取り巻く環境の整備が進んでいるなと感じました。国民の健康意識も高く、街中には、ジムや健康食品を取り扱うお店、オーガニックのカフェなどが多い印象です。今回は、現地で訪れた健康ショップやオーガニックスーパーについて紹介します。

オーガニックスーパーの定義

「オーガニック食品」という言葉は、みなさんも聞いたことがあると思います。オーガニック野菜・オーガニックカフェ・オーガニックコスメなど日本でも、オーガニックライフを実践されている方も多いのではないでしょうか?

そもそも「オーガニック食品とはなんでしょうか?」普通に栽培されたものと何が違うのか?どんなメリットやデメリットがあるのかなど、あなたは説明できますか?

オーガニックの定義

「オーガニック」=「有機」
農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法をさします。FOAM (国際有機農業運動連盟)は、オーガニックの原則として、「生態系」・「健康」・「公正」・「配慮」の4項目を掲げています。

 オーガニックとは|有機とは環境自然との共存|JONA

この4項目をもう少し詳しく見てみると、「オーガニック」という取り組みは、多様な目的があり、私たちの健康にとってもメリットとなる点や未来の人類のために考えなければならない地球の環境問題が見えてきます。

JONA(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会)さんによると、オーガニックの目的やメリットを以下の通りにまとめておられました。

  1. 「環境の保全」・・・化学農薬や化学肥料を使わないことで、水・土・大気の汚染から守る。
  2. 「健康的な生活」・・・添加物を低減することで、食品の安全性を確保する。また、アレルギーのない生活を目指す。
  3. 「自然との共生」・・・自然の動植物を守り、生物多様性を保全します。
  4. 「身土不二」・・・適地適作・地産地消で、地域の文化を大切にします。
  5. 「健全な社会」・・・児童労働の禁止、植民地栽培の排除、南北格差の解消など、人を大切にする社会を実現します。

Performance nutritionist(管理栄養士)の私が感じたメリットを簡単に言葉にすると

  • 化学農薬や化学肥料を使わないので、環境にやさしい。
  • 生物を排除するのではなく、共生を目指し、動植物にもやさしく仲良く自然First。
  • 適地適作、地産地消でその土地が本来持つ力やその土地の人々の力にFocusしている。
  • 添加物を低減し、腸内環境の向上やアレルギー低減などによる健康効果がありそう。

といったところでしょうか。

「オーガニック」・「有機栽培」として販売する場合は、認証が必要

オーガニックの表示ルールを決めようという機運が世界的に高まり、各国で制定され、日本においては、生産者や加工会社は、登録認証機関の検査・認証を受け、「有機JASマーク」を付けることが義務付けられています。

 

オーガニックスーパーは、有機栽培、自然食品、無農薬・減農薬野菜などを中心に品揃えをしたスーパーマーケットで、生産者さんや生産過程が明確になっている商品が多いといったところでしょうか。

日本にも、オーガニックスーパーや健康食品のショップがありますが、シドニーでは、至るところでオーガニックの製品や食品を購入することができます。そして、日本以上に、オーガニックショップと言われる店が数多くあり、広さも桁違いです。日本では、お店の一角にオーガニックコーナーがあるといった印象ですが、シドニーのオーガニックショップは、日本のコンビニより大きいのではないかとも感じたくらいでした。

about life

「about life」 というオーストラリア発祥のオーガニックショップ。シドニーに7件、メルボルンに1件あります。店内では、オーガニックコーヒーやスムージー、朝食なども楽しむことができるカフェが併設されています。(残念ながら、2018年末に全店舗閉店してしまったようです。)

 

Vitamins

こちらは、Mr Vitaminsという健康ショップ。サプリメントの品揃えがハンパないです。また、後日、詳しく紹介します。こちらの「Mr.Vitamin」さんは、2024年現在もChatswoodとBondai juctionにお店があるようです。現在もシドニーで利用できるオーガニックスーパーは、インナーウエストにある「Unique Wholefood」さんが有名のようです。そのほか、オーガニックの商品が並んでいるマーケットやカフェは街中を歩いていたら、出会うことができるでしょう。オーストラリアは「オーガニック先進国」と言われています。

シドニーの特徴的なオーガニックスーパー

シドニーにはいろいろなオーガニックショップがありますが、今日は「about life」というお店を紹介します。2018年に全店舗閉店してしまったようですが、現地のオーガニックショップの雰囲気は伝わると思います。

 

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こちらのお店はシドニーに7店舗ありました。予約をすれば、スタッフの方がいろいろアドバイスしながら、一緒に買い物ができる、買い物ツアーをやっています。Crows Nestという街のこちらの店舗は、日本のコンビニエンスストアと同じか、もう少し広いくらいの大きさでした。日本のスーパーマーケットにも、野菜や商品の生産過程や生産者さんの想いや栄養価やレシピの提案などを伝えられるプロor 買い物アドバイザーのような方が店舗に1人いて、買い物のアドバイスをもらいながら、マンツーマンでスーパー内を回るというサービスがあっても良いのではと感じました。日本のスーパーでは、生産者さんの想いや生産過程が伝わりにくく、スタッフの方も品出し、レジで忙しいイメージです。

「商品のラインナップが日本とは桁違い。」全部見るだけでも1時間以上はかかりました。すごいわ。正直、オーガニック野菜しか知らなかった私は、こんな商品も売っているのかと驚くばかり。

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(豊富なオーガニック野菜、少なくとも50種類以上はありました。もっとかも。)

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(オーガニックの肉やソーセージ)

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(オーガニックのプロテインやサプリメント類。通路でいうと2列分くらいはありました。)

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(サプリメントの一部。笑 どんだけあるの。)

店員さん覚えるのめっちゃ大変だろうな。

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(ココナッツミルクだけでも、数十種類。)

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(オーガニックの塩や香辛料。その他にもたくさんの調味料。調味料コーナーだけで1列。)
毎日、口にする調味料や油などは、「少しお金が掛かっても、質の良いものを使ってください」と私もよくアドバイスします。

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(驚きの味噌。笑  白味噌・赤味噌・合わせ味噌もありました。)

そば・うどん、それ以外にも日本でおなじみの商品が数多くあります。シドニーでは、基本的に簡単に日本でお馴染みの商品が購入することができます。困ったら、Daiso(ダイソー)に行けば、なんとでもなります。笑

ここでは、載せきれませんがその他にも、

  • 乳製品
  • 飲料
  • 豆類
  • パスタ
  • 調味料
  • お米
  • お菓子
  • ガム
  • 化粧品
  • 洗剤

などなど、まるでコンビニのような品揃えでした。

値段は少し高めのオーガニックスーパー

気になるお値段の方ですが、びっくりするほど高いわけではありませんでした。全体的に一般的なスーパーマケットに比べて2~3割高いかなという印象です。先ほどの写真の味噌で大体1000円前後。(当時)

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こちらのそばで350円前後。

オーガニック野菜やオーガニック製品が高い理由

必ずしも全ての野菜や商品が当てはまるわけでは、ありませんが、日本においては、慣行栽培(一般的な農業)と有機栽培(オーガニック)の野菜を比べると、有機栽培の野菜の方が値段は割高に感じる方が多いのではないでしょうか。これには、様々な理由があり、実際にいろんな農家さんでも働かせていただき、いろんなことが見えてきました。生産者さん、そして、消費者である私たちのどちらにも言い分はあり、改善していくべき問題があると思いました。

有機栽培で生産された野菜が慣行栽培で生産された野菜より、高いのは主に「生産コスト」が高いからです。農薬や化学肥料を使わないため、「除草や害虫駆除の作業などに人手と時間がかかります。」また、生産量でいっても、「慣行栽培に比べて、有機栽培の生産量は25%近く少ない」と言われています。つまり、生産するのに、時間や人手が必要なのに、生産量が少ない。そういった条件でも、有機農家さんは生活していかなければなりません。生産量が少ないので、有機野菜は希少価値も高いこともありますが、そういった有機農家さんの背景もあり、販売価格を安くするといったことは難しいですし、私が有機農家さんでも、慣行栽培で生産された野菜と同じ値段では売りたくないと思います。

 

(千葉県成田市の有機農家さんのオクラ)

「化学肥料や農薬を使う目的は知っていますか?」

植物は基本的に土のなかの窒素やリンなどの栄養素を補給して、育っていきます。化学肥料を使うことで、土の中に作物が育つための栄養素を強化することができ、植物の栽培を助けたり、安定した生産を可能とします。つまり、同じ耕地面積でも、収穫量の増加や収穫期間までの時間や労力を節約することにつながり、結果的に作物の生産効率を高めることとなります。農薬や除草剤も生産効率を高めることに寄与するでしょう。野菜は基本的に1kgあたり、〇〇円という形で出荷されます。となると、当たり前ですが、農家さんからしたら、少ない労力で大量に作物を生産・出荷できる方が儲けが良いです。なので、農家さんも農薬や化学肥料を使うデメリットも理解しつつも、メリットの方が圧倒的に大きいので、生活のために慣行栽培で生産することも分かります。食料自給率などを上げていくなら、たくさん生産できるに越したことはないと思います。実際の有機農家さんの現状はどうかというと、例えば、オクラを生産するとなった時に、農薬や化学肥料を使わないとしても、生産量は増やしていきたいわけです。となると、葉や枝の剪定作業や除草作業をこまめに行ったり、出荷できるオクラを見逃さず、収穫するといった人による労力や手間がかかります。実際に、この剪定作業は毎日、朝と夕の2回行い、とても大変でした。また、オクラは葉の裏や太い茎の裏にできていたりと、収穫の時に見逃しも多くなりがちで、1日取り逃がすと、次の日には、大きくなりすぎて、商品になりません。小松菜の除草作業や空芯菜の選別作業も非常に大変でした。実際に働いてみて、有機農家さんの方が細かい作業が多く、大変でした。人手が足りない、手間がかかるということもあり、日本での耕地面積に占める有機農業の割合は0.3%です。世界で見ても、全耕地面積における有機農業の割合は、1.6%です。日本の有機農家は、他の先進国に比べても、非常に少ないです。日本では、2050年までに有機農地を全体の25%のするという農業政策を農林水産省が発表しました。実現するのは、かなりハードルが高く、国や農家さんの努力だけでは無理だと思います。

「もし、同じ栄養価・同じ値段ならどっちの小松菜を買いますか?」

これは、多くの方が左のきれいな小松菜を買うと思います。現状、野菜を購入する際に、見た目や色、形を重視すると思いますし、仕入れ先もそういったことを求めてくると思います。そうでないと、売れないから。しかし、農薬や化学肥料なしで、きれいな小松菜を作るためには、非常にレベルの高い栽培技術が求められます。それは、大量生産も難しいです。値段は高くならざるを得ません。しかし、消費者の私たちからすると、「同じ野菜を買うなら安いほうが良いと思う」のは、当たり前のことだと思います。よほど、勉強熱心か、健康に気を使っている人、そして、経済的に余裕がある人しか、有機野菜だけしか買わないと言うことは、無理だと思います。実際に、物価高により、野菜や果物は値段が高騰していることもあり、そもそも野菜や果物の購入量が2022年に比べて、2023年は購入数量が減少しています。そんな状況の中、より高い有機野菜を買うということはかなりハードルが高いと思います。「有機野菜も慣行栽培で生産された作物と同じくらいの値段になる。」それでも、「有機農家さんの収入は、減らない」といったことや、そもそも私たちが野菜や果物を余裕を持って購入できるような経済力を得るなど、日本での豊かな生活ができるといった社会が実現できない限り、現状は変わらない気がします。日本のお偉いさんたちは、農家さんの現状や実際の声、そして、私たち消費者の声を把握しているのかと思ってしまいますね。消費者側も、もっと慣行栽培や有機栽培など、農業を取り巻く現状を知り、作物や自分自身の健康や体に対する興味や理解を深めていく必要があるのではないでしょうか?

(日本農業新聞の記事参照 https://www.agrinews.co.jp/economy/index/215247

SDGs(サスティナブル)な選択肢としてのオーガニックスーパー

今まで、私はオーガニック野菜といえば、「健康のため」といったイメージが強かったですが、農業の仕事に携わったり、オーガニック野菜について調べていく内に、「SDGsにも有機栽培が貢献している」ことを知りました。農薬や化学肥料を使わないことで、環境への負荷を低減すること、生物多様性を実現することにつながります。有機野菜を買う選択肢の1つとして、「後世の人のために、そしてこれからの地球環境のために。」そのような視点を持ってみると、買い物の仕方も少し変わるのかなと感じました。小さなことかもしれませんが、「スーパーに行ったら、野菜や果物のうち1つは有機のものにする」ということも、有機農家さんを始め、農家さんを応援することにつながるのかなとも考えています。一方、自分自身の経済力や健康面、腸内環境などを考慮しても、「慣行農業で生産された野菜もすばらしいもので、その野菜を食べたからといって、健康を損なう」とは全く思っていないので、これからも基本的には、スーパーに行ったら、普通の野菜を買うと思います。「どっちが良い・悪い」、「0か100」ではなくて、いろんな情報を取り入れながらも、その時の自分自身の健康や環境を総合的に考慮して、納得して食選択をするということが大切かと思います。その中で、もし、野菜や果物などを選ぶとなった時に、「有機野菜」を購入するという選択肢も持ち、オーガニックのお店にもたまには入ってみる。そのようなことから始めていこうと思います。

SDGs 「食品ロス問題」をもっと身近に考えていこう

先ほども、少し述べましたが、まだまだ、消費者の心理として、「傷物や形が悪い野菜はあまり買いたくない」という気持ちもあることや、実際に箱詰めや袋詰めをすると分かりますが、形が大きすぎたり、小さすぎたり、歪だと作業効率も運搬効率も落ちてしまします。そのような野菜や果物は、「規格外野菜」とされ、商品としても扱ってもらえないのが現実です。

農家さんにいくと、「売り物にならないから」、「販路がないから」、「売れば売るほど赤字になるから」など様々な理由で、廃棄になってしまう野菜がたくさんあることを知りました。実際に、「それでは余った作物で加工品にしよう」と考えても、取り扱ってくれる業者がいなかったり、加工するための作業場が必要となったり、そのためには衛生面での様々な検査や許可が必要だったりと、思うように進まないのが現状です。

「食品ロス」は、私たちの生活の中で、少し気を遣うだけで、貢献できることもたくさんあります。「冷蔵庫の中身を確認する。」・「手前に陳列されている商品を買う。」・「期限が近く値引きされている商品やお勤め品も買う。」・「規格外の野菜の詰め合わせを買う」などできることはたくさんあります。御殿場や木更津のアウトレットはいつも賑わっていますよね?規格外のものや在庫が多いものを「安く、商品を購入できる!」と人気なのに、「野菜」や「果物」ではダメなのでしょうか?(確かに野菜・果物は、収穫直後が栄養価が1番高いものが多いのは事実ですが、、、)

「規格外野菜」や「傷物」など、消費者ももう少しそれらに理解を示し、寛容な気持ちになることができる社会になったらいいなと願ってます。こちらの会社のホームページでは、もう少し詳しく、「規格外野菜」のことや実際に規格外野菜を購入できる通販サイトなども紹介されていますので、ぜひ、参考にしてみてください。https://no1pac.com/?p=1772

さて、ここまでシドニーのオーガニックスーパーの情報から、有機栽培や現状のオーガニックを取り巻く環境について、まとめましたが、自分自身の健康や地球環境の向上に興味を抱いた方は、ぜひ、「オーガニック」について、調べてみて、実際に「オーガニック野菜」や「オーガニックの商品」を全部でなくていいと思うので、1つでも生活に取り入れるなど、もっと身近なものになったらいいなと思います。実際に、購入しなくても、「オーガニック」とはなんぞやと知っているだけでも、素晴らしいことだと思います。日本にもオーガニックのお店はたくさんあります。たまに覗いてみると、新しい発見があると思います。そして、もしオーストラリアに行ったら、ぜひ、オーガニックスーパーや健康食品のお店を5分だけでもいいので立ち寄ってみてください。圧倒されると共に、自分自身の健康や体について向き合うきっかけとなるのではないでしょうか?

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