【夏の大会を勝ち抜く!】高校野球の栄養戦略|試合前日・当日・試合後の食事と補食を徹底解説!
こんにちは、スポーツ栄養士のほりさんです!
高校野球の夏の大会。
過酷な暑さと連戦のなかで実力を発揮するには、「栄養」も勝負の鍵を握ります。
選手のコンディションはもちろん、
保護者や指導者の方からも「どんな食事を出せばいいの?」「補食のタイミングが分からない…」とよくご相談をいただきます。
このシリーズでは、以下のような**“タイミング別の食事戦略”**を分かりやすくお届けしていきます👇
- 試合前の1週間〜前日までの準備食
- 試合当日の朝食・補食・水分補給のポイント
- 試合後のリカバリー食と次戦への備え方
さらに、天候による順延や、延長戦・コールドゲーム、気温など現場での変化にも対応できる考え方をお伝えします。
今回はその【導入編】として、まずは試合前の食事戦略からスタートします!

目次
🥣 試合前の食事戦略|勝負は試合前からに決まっている!
✅ 試合1週間前から整えておきたい栄養の土台
試合直前だけではなく、1週間前からの準備が大切です。
- 主食・主菜・副菜・果物・乳製品・汁物をそろえた“基本の食事形”を安定させる
- 炭水化物:主食をしっかり食べエネルギー源が不足しないようにする
- タンパク質:主菜+副菜(タンパク源+野菜)から必要な量を摂取し、リカバリーする
- ビタミン・ミネラル:体の機能を正常化&コンディション維持
試合1週間前から3日前までは、いつも通りのバランス良い食事を心がけ、リカバリー&コンディション維持を意識していきます。

✅ 2日前〜前日は「エネルギー補給」と「消化の良さ」がテーマ
前日になると、より「糖質の摂取」を最優先にしつつ、消化の負担を少なくすることを心がけます。消化の負担を少なくすることで睡眠の質を上げることが目的です。
食べるべきもの | 目的 |
---|---|
ごはん・麺・パン・もち等 | エネルギー源(糖質) |
脂質が少ない肉・白身魚・豆腐・卵 | 良質なたんぱく質で消化が良い |
緑黄色野菜・果物・みそ汁など | 胃腸を整える/水分補給にも◎ |
逆に避けたいもの:
- 揚げ物や脂っこいもの(消化に時間がかかる)
- 食べ慣れない食べ物
- 生物(加熱していない肉・魚・卵は特に注意)
- 貝類(腹痛のリスクがある)
- 刺激物(腹痛・下痢のリスクあり)

✅ 前日夜は「翌日の栄養スケジュール」から逆算して調整
前日の夕食は、翌日の試合スケジュールを見て調整しましょう。
例1)朝6時出発で試合会場へ向かう場合
→ 朝5時に朝食 → 前夜の食事は19時頃までに済ませたい
*何時に寝れば、何時に気持ちよく起きて、朝食を食べることができるかなどを考える。
例2)午後試合だけど午前に練習あり
→ 朝食+補食をしっかり計画する必要あり
こうした**「逆算設計」が勝負を分ける食事戦略**になります。
⏰ 試合当日の食事戦略|タイムスケジュールから逆算せよ!
試合当日は「何を食べるか」も大事ですが、
それ以上に「いつ・どれくらい食べるか」が結果を左右します。
試合開始時間・起床時間・移動・ウォーミングアップ・補食タイミングまで逆算して食事を組み立てましょう。
起床〜3時間前:しっかり朝食を摂れるゴールデンタイム
試合開始の3時間前までに、“主食+主菜+汁物+果物”のような消化のよい朝食をとるのがベストです。主食をしっかり食べるという点では、パンもOKですが、個人的には、より水分量も摂取でき、脂質も少なく、効率よく摂取できるごはんの方がおすすめです。
朝食例(バランス重視) |
---|
おにぎり+うどん+果物(バナナ・みかん) |
ごはん+ミニうどん+鮭+みそ汁+果物 |
ごはん+卵焼き+納豆+味噌汁+果物 |
▶ 食べ慣れたものが基本。初めての食材は避けること!
できれば温かい料理をうまく組み込むこと
移動時間・集合時間にも注意!
- 長距離移動がある場合:バスの中での補食を準備(ゼリー飲料・小さなおにぎり・カステラなど)
- 集合が早朝の場合:家では軽めに食べ、現地到着後に補食を追加
試合2時間前から:胃に負担の少ない補食でチャージ
直前に詰め込みすぎるのはNG。
試合開始の1時間〜30分前には、すぐにエネルギーになる軽めの補食を。
補食例 | 理由 |
---|---|
バナナ(90分前までに) | 消化が早く糖質補給に最適+痙攣予防に役立つ可能性(カリウム) |
カステラ(90分前までに) | 吸収の早い糖質 |
ゼリー飲料(60分前) | 水分+糖質の同時補給 |
スポーツドリンク(30分前) | 水分・電解質・糖質をまとめて補給 |
✅ ベンチに持ち込める補食も準備しよう
延長戦や猛暑を考慮して、“少量×回数”の補食が安心です。
- 小さなおにぎり(1個ずつラップに包む)
- 塩タブレット
- エネルギーゼリー
- スポーツドリンク
▶ 水分補給は試合の前・途中・後にこまめに
*目的によって飲むものを使い分ける【試合前・練習中・日常別】アスリートの水分補給戦略|プロチームを支える管理栄養士が伝授! - ほりさんの食選択応援Blog
実際は天候・展開・気温でも戦略は変わることも忘れない
- 雨天中止・順延:試合開始まで何時間も待たされるケースもある
→天気予報を見て、万が一のケースも想定し、補食を多めに持っていく - 延長戦になった場合:エネルギー切れを起こさないよう「持ち込み補食」や飲み物の重要性UP
- 前の試合がコールドゲームの場合:ゲーム開始時間が早まる可能性もある
- 猛暑・高温多湿:固形が食べづらい時はゼリー・飲み物で調整。発汗量も増えるため、水分量を十分に確保すること

💪 試合後の栄養戦略|“次の一戦”を見据えたリカバリー
試合が終わったあと、疲れて食べられない or 好きなものばかり食べるという選手も少なくありません。
しかし、試合後こそ「体を修復し、次へつなげるゴールデンタイム」。試合後から次の試合の準備は始まっているのです。
この時間をどう過ごすかで、翌日の動きがまるで変わります。
試合直後は“すばやく・糖質+たんぱく質+水分を補給!
まずは、試合終了後、なるべくはやく必要な栄養素をとりましょう。
補食例(試合直後) | 効果 |
---|---|
おにぎり+チーズ | 糖質+たんぱく質の補給に◎ |
バナナ+プロテインミルク | 吸収が早く内臓に優しい |
カステラ+牛乳 | 疲れた体でも食べやすい+回復に効果的 |
▶ 食欲がない時はゼリー飲料や果物からでもOKです。試合後の食事が不足すると、1日に必要な栄養素が不足したり、夕食で摂取しなければならない量が増えることで、体重減少や睡眠の質の低下によるコンディションの低下につながる可能性があります。試合後はなるべく早く「リカバリー」。それが次戦へ向けた「準備」でもあります。
次戦のタイミングで意識するポイントも変わる
パターン① 翌日も試合がある場合(連戦)
→ 糖質を最優先+適量のたんぱく質+ビタミン+水分豊富な食事を意識!
- 主食:ごはん+うどん(W主食もOK)
- 主菜:鶏肉、白身魚、豆腐ハンバーグなど
- 副菜:野菜たっぷりみそ汁やサラダ
- 果物:キウイ・みかんなどビタミンC豊富なもの
パターン② 次の試合が中3日以上ある場合
→ 疲労回復とリセット重視の食事に切り替え
- リカバリーに必要な「糖質」+「タンパク質」+「水分」をしっかり確保する
- 抗酸化ビタミンを多く含む食材も活用(トマト・ピーマン・かぼちゃなど緑黄色野菜)
- 良質なたんぱく質を中心に(肉・卵・魚・大豆製品)
- 発酵食品(納豆・ヨーグルト・味噌)で腸内環境も整える
*ある程度好きなものを食べてOKですが、しっかり糖質、タンパク質、水分が摂取できるもの。また、疲労から胃腸の吸収力が低下している可能性もある+しっかり寝てほしいので、消化の負担は少ないものの方がおすすめ。
(疲れていても関係なく食べることができる選手はある程度、好きなもの話食べてもOK)
夏は“内臓の疲れ”にも要注意
暑さでダメージを受けるのは筋肉だけではありません。
**胃腸の回復も意識した「消化にやさしい食事」**を意識しましょう。
- 油ものを避ける(揚げ物やこってり系)
- 水分+ビタミン+ミネラルをしっかり摂る
- 冷たいものだけでなく温かい汁物も食べる
次の試合日程で調整するのが“アドバンス”な考え方
- 翌日も試合 → 「即回復モード」突入!早めの夕食+十分な睡眠
- 中3日 → 試合後1〜2日は体の回復に集中 → 再び強化モードへ
- 1週間後 → 栄養+練習+休養のバランスで「調整フェーズ」に入る
▶ 「次の試合はいつ?」を考えるクセをつけよう!
🧾 まとめ|試合の“勝敗”は食事で左右される可能性もある
夏の大会は、暑さ・連戦・緊張など、選手にとっては心身ともに大きな負担がかかる舞台です。
だからこそ、**「いつ・何を・どう食べるか」**がパフォーマンスに直結します。
- ✅ 試合前は“整える・ためる”食事で準備を
- ✅ 試合当日は“時間から逆算”して食べ方を工夫
- ✅ 試合後は“すぐに・やさしく”体をリカバリー
コンディションを整える「もう一つの武器」として、栄養の力を最大限に活かしましょう!
🔜 次回予告|タイミング別の具体的な食事例をご紹介!
このシリーズでは、次回以降👇のようにより実践的な内容をお届け予定です。
- 【試合前編】1週間前からの準備メニュー/前日の献立例
- 【試合当日編】集合時間・試合開始時間別の朝食パターンや栄養スケジュール
- 【試合後編】次戦が連戦か空くかで変わる回復戦略
- 【補食編】ベンチに持ち込めるおすすめ補食
など、すぐに実践できる内容でお届けします!ぜひお楽しみに。
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私はこれまで、プロ・社会人・高校生など幅広いアスリートに向けて、
全国各地で合計50件以上の栄養セミナーや講演を行ってきました。
ラグビーチームでのリーグ戦フル帯同の経験から、現場で選手と共に動く立場からのサポートを大切にしています。
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