どれくらいのタンパク質を摂取すればいいのだろう?
2020/02/25
プロテインのお話も今日で3回目となりました。
前回はアミノ酸の紹介をしました。
必須アミノ酸や良質なタンパク質については少し、わかっていただけましたでしょうか?
効率よく体を作っていくには、必須アミノ酸が必要不可欠! - ほりさんの食選択応援Blog
そして、忘れないうちに今日もひとこと。
「まずは日々の食事からタンパク質をしっかりと!!」
*食事からタンパク質を摂取し、サプリメントは補助的に使いましょう。
目次
あなたのタンパク質の必要はどれくらい?
体を作っていく上で大切なタンパク質。
現在の厚生労働省が定めた食事摂取基準(2015)では、
成人男性のタンパク質推奨量は1日あたり60g。
成人の女性では50gに設定されています。
食品に含まれるタンパク質 (100gあたり)
- 豚もも 脂身つき・・・19.5g
- 若鶏もも 皮付き・・・16.6g
- 鮭 ・・・22.3g
- 鶏卵 ・・・12.3g *鶏卵は1個約50g
- 絹ごし豆腐 ・・・4.9g
- 納豆 ・・・16.5g *1パック約50g
- 普通牛乳 ・・・3.3g
- こめ(精白米)・・・2.5g
1日1食、米を100g食べるだけでも、タンパク質を7.5g摂取できますね。
時間がない朝でも、お茶碗1杯のごはん(150g)に
卵1個、納豆を食べるだけでも約18gのタンパク質を確保できます。
そう考えると、1日3食食べている人なら、
タンパク質60gを摂取することは十分無理なくできそうな感じがしますね。
アスリートは、より多くのタンパク質摂取が求められる!
筋肉を強化するために、トレーニングをしているアスリートは、
一般の方より、より多くのタンパク質を摂取することが求められます。
運動時のタンパク質必要量の目安 (体重1kgあたり)
- 活発に活動してない人 0.8g
- スポーツ愛好者(週に4〜5回30分のトレーニング) 0.8〜1.1g
- 筋力トレーニング(維持期) 1.2〜1.4g
- 筋力トレーニング(増強期) 1.6〜1.7g
- 持久性トレーニング 1.2g〜1.4g
- レジスタンストレーニング 1.2〜1.7g
- 断続的な高強度トレーニング 1.4〜1.7g
- ウエイトコントロール期間 1.4〜1.8g
仮に体重が60kgのアスリートで、
筋力トレーニングの増強期であれば、
1日あたり96g〜102gのタンパク質が必要となります。
コンディショニングのスポーツ栄養学 樋口 満 編者
ボディービルダーから学ぶタンパク質摂取量
タンパク質を消化する際に、内臓に負担がかかるため、
タンパク質の上限は2.0g/kgとされています。
1度に吸収できる量も50gくらいなので、
摂りすぎても、吸収されず、無駄になるとされています。
しかし、トレーニングの相棒〜プロテイン〜の中でも紹介されていますが、
ボディービルチャンピオンにもなったことがある大河原久典さんたちによると、
ボディービルダーの中では、3g/kgでもタンパク質は不足する
といった声もあるみたいです。
それを踏まえ、著者の野沢秀夫さんは次のように理解しています。
- 筋肉自体が成長する時期なら、2gを超えても問題はないだろう。
- 筋肉が完成して、ハードに頑張っても年に1kgしか増えない時期ならきつい筋トレの中でも2gで十分。
- 軽い筋トレしかしない普通の練習なら1g〜1.5gでもいいのでは?
筋トレの種類や時期
そして、タイミングにより体重あたりのタンパク質必要量は変わる。
という結論に至ったようです。
カロリー摂取の目安なども、よく計算しますが、
結局、体重の増減を見なければ、本当に適切なカロリー目安量のかはわかりません。
大切なことは、自分の体の声に、耳を傾け、日々、変化に対応していくことです。
タンパク質量についても、あくまでも目安なので、
筋肉の増え具合や体重の変化に、体調によって、食事量も定期的に見直していきましょう。
タンパク質の過剰摂取には、注意が必要!
体づくりには、タンパク質は必要不可欠ですが、
ただやみくもに、摂取できるだけ、タンパク質を摂取すれば良いというわけではありません。
タンパク質の過剰摂取は、体にネガティブな影響を与えます。
何事にも適量と言われる量があります。
過剰摂取による代表的な弊害はこちら。
-
体脂肪が増加する。
-
腎臓や肝臓に負担がかかる。
プロテインを飲みまくったら、体脂肪率が増えた!?
タンパク質の摂取が過剰な場合は、
筋力トレーニングを行ってもタンパク質の合成は上昇しません。
さらに、タンパク質の酸化が起こる可能性があります。
エネルギーを持つ栄養素は、使いきれなかったものは体に蓄えるという特徴があります。
つまり、過剰に摂取されたタンパク質は、脂肪として蓄積されます。
つまり、摂取に見合う消費ができていなければ、体脂肪として蓄積されていきます。
プロテインをがぶ飲みしているあなた。
今一度、総合的に、自分の食事でのタンパク質の摂取量と
トレーニングの消費量と見比べて見てください。
プロテインを飲んで満足していませんか?
目的は何だったでしょうか?
筋肉が増えなければ、満足のいく結果とはならないでしょう。
トレーニングをしても、筋肉が全然増えなかったり、
脂肪ばかり増えているようでは、一度タンパク質量を見直す必要があるでしょう。
タンパク質の過剰摂取は、腎臓や肝臓に負担がかかる。
動物性タンパク質には、含硫アミノ酸(メチオニンやシステイン)が多く含まれます。
動物性のタンパク質を大量に摂取すると、アミノ酸の分解により、
尿中のリン酸塩・硫酸塩が増加し、尿が酸性します。
そのため、カルシウムの再吸収が抑制され、尿中カルシウムが増加し、
尿路結石や骨粗鬆症などのリスクも高くなります。
また、アミノ酸として利用されなかったアミノ酸を分解することで
生じた窒素は、肝臓の尿路回路で処理し、腎臓から排泄されます。
そのため、腎臓や肝臓に負担がかかると言われています。
先天的に腎臓が弱い場合には、
腎疾患にかかるリスクが高まったり、腎疾患を悪化せる可能性があります。
本日のまとめ
「アスリートは、より多くのタンパク質摂取量が求められる。」
*ただし、過剰摂取も脂肪の蓄積や内臓への負担となる。
タンパク質の摂取量は低すぎても、体づくりに影響を及ぼし、
過剰摂取でも体に悪影響を及ぼす可能性があります。
トレーニングの強度・量・時間・頻度を
考えた上で、摂取量を決めていく必要があります。
時期やタイミング。
そして、種目やポジション・目的によっても、
タンパク質の必要量は変わってくるとは思いますが、
しっかり、体を作って増量するのであれば、
1.5〜2.0g/kgがやはり目安になってくるのではないでしょうか。
次回、タンパク質の摂取するタイミングとプロテインパウダーについて、
まとめていきたいと思います。
プロテインは、いつ飲むのが良いのだろう? 適切なタイミング - ほりさんの食選択応援Blog