第10回太田西山高校野球部 栄養セミナー〜強豪校と戦う体を作るために自分史上最高の毎日を毎日を継続せよ〜
先日、茨城県立太田西山高校野球部の選手・保護者のみなさま向けに栄養講習を開催しました。太田西山高校は、悲願であった夏の大会での初勝利を達成しました!成長率No.1を掲げる太田西山高校は、毎年部員が10名前後で、時には、他の部活動の選手を借りて、大会に出場する年もありました。それでも、監督の想いに共感した各分野のプロフェショナルが、外部指導者としてチームに携わっています。プロ野球選手を教えるトレーナーさんによる打撃・投球指導(月1回)やメンタルトレーニング、陸上インカレチャンピオンによるスプリント指導、プロのラグビーチームをサポートする私の栄養講習、そして、治療家によるケアや酸素カプセルなど、プロのスポーツチームのようなサポート体制です。この夏の大会での初勝利は、サポートする私たちの願いでもあり、すばらしい瞬間でした。監督が就任して6年。ここまで長い道のりでした。そんな初勝利には、この2年半で大きく成長したバッテリーの力が大きかったです。エースの選手の成長は、驚異的で、プロ野球のスカウトが視察にきて、最終的にドラフト候補になる偉大な選手になりました。その選手が取り組んできたことなどを新チームの選手・保護者のみなさんにたっぷりとお伝えしました。
目次
パフォーマンUpに向け冬にやるべきこととは?
この冬の取り組み方次第で、春には別次元の選手になるポテンシャルを秘めています。「正しいアプローチで数をこなす。」2年半という短い高校野球において、爆速で成長するためには、1日たりとも無駄にできません。特に冬は体づくりに特化したトレーニングを集中的にできる期間なので、この冬の取り組みは非常に重要となります。
この冬で体と向き合い、己の馬力を上げよ
この冬、ズバリやるべきことは「自分自身のエンジンを強化し、馬力を上げること」です。つまり、「フィジカル面の強化。」技術面でのレベルアップも大切ですが、この冬の期間で、まず意識してほしいことは、「フィジカルの強化」です。7月の夏の大会をターゲットとして考えた場合、春を過ぎてからは、「パワーやスピード」を強化するトレーニングに移行していきます。その際のベースとなるのが「筋力」です。パワーやスピードを発揮するためには、体の使い方やコントロールする能力も必要ですが、そもそも大きな力を出力できなければ、パワーやスピードはなかなか上がりません。そして、「筋力」を強化するためには、「筋肉量」が影響します。「筋肉量が多いほど、筋力が高く、パワーやスピードが大きい」という相関関係があります。体づくりの1st stepとなるのが「筋肥大」にFocusしたトレーニングで、この冬にまず取り組んでいくトレーニングとなります。「強度×回数」で計算される総仕事量を上げ、筋量アップに向け、自分の体と向き合ってほしいです。筋量増加に伴う増量を目指し、ある程度、目標となる体重まで達したら、「筋力Up」にFocusし、妥協なくトレーニングを頑張って欲しいです。
筋肉量を上げる食事とは?
「筋肉量を上げるために何を食べたら良いですか?」という類の質問をよく受けます。その際に必ず私が答えることは、「筋肉量を上げるためには、トレーニングしなきゃダメですよ」ということです。「これを食べたら筋肉量が上がります」という食べ物は基本的にはありません。
では、「栄養は必要ないのか?」もちろんそういうわけではありません。パフォーマンスを上げるためには、「トレーニング効果を最大化」することが重要で、その手助けをするのが「栄養」であり、「休養」です。なので、「筋肉量を上げるために、正しいトレーニングを行い、その効果を最大化させること。そのために必要な食事や栄養のポイント」をお伝えしています。「何を食べるか、どれくらい食べるか、そして、いつ食べるかが重要です。」https://hori3.com/archives/2957 https://hori3.com/archives/3094
(こちらの記事を参考にしてみてください。)
筋量UPに向け特に意識したい3つの栄養素
筋肉量を上げていくためには、五大栄養素と呼ばれる、「炭水化物/たんぱく質/脂質/ビタミン/ミネラル」を過不足なく摂取する必要があります。その中でも、冬の体づくりの期間に意識したい栄養素として、「たんぱく質」&「糖質」&「ビタミン」の3つを紹介しました。トレーニングで傷ついた筋肉を修復するための材料となる「たんぱく質」。そして、「リカバリー」にも必要で、次の日の高強度のトレーニングを行うための「準備」にも必要な「糖質」。糖質やたんぱく質を体の中で、円滑に使うために必要な「ビタミン」。選手それぞれ、必要量を提示し、どのような食事を意識していくかをお伝えしました。あとは毎日毎日「自分との約束事」として、やると決めたことを実行していくのみです。「自分との約束を守れるチームになろう」は、一緒に太田西山高校をサポートしている「メンタルトレーナー」の宮本さんのメンタル講習の内容でもあり、その内容とリンクして、食事でも自分との約束事を決めました。
そのほか、太田西山高校は、プロ野球選手を指導するトレーナーさんの打撃・投球指導が月に1回あります。そのセッションによって、選手の打球速度や球速が飛躍的に成長します。「トレーニング・メンタル・栄養・ケア」のスペシャリストの指導がリンクすることで、選手の爆発的な成長につながっています。
朝ごはんをしっかり食べるために、「気持ちよく起きる」
筋量を上げていくために、しっかり食べる必要がありますが、特に高校球児の共通の課題として、「朝食の充実」が考えられます。お弁当や夕食はしっかり食べる選手が比較的多いと感じていますが、朝食は、様々な理由をつけ、しっかりと食べている選手と食べていない選手の差が大きいと感じています。しっかり朝から食べるためには、睡眠が大切で、気持ちよく起きる必要があります。朝食をなかなか食べることができない選手は、睡眠を見直すことで、改善できることもあると思います。今回の講習では、質の良い睡眠をするために必要な準備や豆知識をお伝えしました。
この2年半で飛躍的に成長した選手の実際の食事の様子
この2年半で、飛躍的に成長し、ドラフト候補となった選手がどのような取り組みを行い、どのように成長したかを後輩選手に伝え、「今の自分の取り組みでまだできることはないか?」と投げかけました。2年生にとっては、集中して体づくりができるのは、この3ヶ月が最後となります。爆速で成長するために、今以上に自分に厳しくこの冬を過ごしてほしいです。
保護者の方の食事からのサポートもあり、こちらも想定以上の成長を見せてくれました。「これがどれだけ、すごいこと」なのかがなかなか伝わらないのがもどかしいですが、甲子園出場を目指す、強豪校ではなく、夏の大会初勝利を目指すチームから、このようなすごい選手が生まれたということに、私たちサポートする指導者も感動してます。春からは独立リーグに進み、NPB入団を目指して、次のステージでも野球を続けていきます。これからも見守っていきます。
私がお伝えしたことを信じ、取り組んでくれた選手、そして保護者の方の食事からのサポートに本当に感謝しております。ありがとうございます。朝食・お弁当・試合日の食事の一部ですが、私がお伝えしたテクニックや栄養のポイントを忠実に再現されています。そして、すごいことは、1年生の途中から、高校野球最後の試合となる日、そして、高校野球を引退した現在も継続していること!これからも頑張って、自分の夢を掴みとって欲しいです。
さて、来年の春には、どのような成長を見せてくれるか。新チームも楽しみです。春の県大会出場を目指し、「1%の向上&自分史上最高の毎日を過ごす」を積み重ねていきましょう。「自分史上最高」という言葉は、私が尊敬し、憧れ、将来の理想像でもある「武井壮」さんの言葉を参考にしています。私自身も選手に負けないように「自分史上最高」の日々を送っていきます。