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アスリートにおける水分補給の重要性とパフォーマンスUpに向け実施したい効果的な戦略

プロ選手や高校野球選手をサポートし、プロラグビーチームにフル帯同していた管理栄養士が考える水分補給戦略について、紹介します。

水分補給の重要性と効果的な戦略

「なぜ、アスリートは水分補給が大切なのか?」

そう聞かれたら、私は、「パフォーマンスに大きく影響するから」「体を守るため」と答えます。パフォーマンスを最大限発揮するためには、食事からの「準備」「リカバリー」だけでなく、日々の水分補給も非常に重要です。ただ、水を飲めばよいわけでなく、「なんの目的で何をどのタイミングで飲むかを考える」とより有意義な水分補給となるのではないでしょうか?

アスリートにおける水分補給の役割

水分補給には、様々な役割がありますが、4つの大切な役割を紹介します。

  1. 体温調節
  2. 脱水の予防
  3. 熱中症の予防
  4. リカバリー&体の機能維持

1.体温調節

私たちは、運動することで、筋肉の収縮による影響や基礎代謝の影響、また、太陽からの放射や気温・風・地面からの熱伝導など、様々な影響を受け、体温が上昇します。ウォーミングアップなどによる適度な体温上昇は、パフォーマンスを発揮するために必要ですが、体の表面温度や直腸や内臓などの深部体温が過度に上昇し、低下しないままの状態が長く続くことで、体の機能が正常に働かなくなり、パフォーマンスの低下へとつながります。サッカーの試合の症例として、深部体温が40℃に達した状態で長時間プレーした選手(試合の後半時)は、顕著に移動距離、高強度のランニング・スプリントパフォーマンスが低下することが示唆されている。また、認知機能の低下の可能性も考えられ、過度な体温上昇の影響は、脳の機能の低下にもつながり、集中力や状況判断の正確性などの面からもパフォーマンス低下につながりのではないかとしています。

フットボールの科学 2021 vol16. No.1 暑熱環境下におけるスポーツでの暑さ対策:長谷川 博(広島大学大学院)

競技をサッカーの練習中における深部体温の変化のグラフが以下の通りです。

競技者のための暑熱対策ガイドブック(ハイパフォーマンスセンター)

パフォーマンスの低下を防ぐためには、過度に上昇した体温を適切な温度まで下げることが必要となります。運動中は、発汗によって、汗が蒸発する時に奪われる熱によって体温を下げる仕組みが働きますが、暑熱環境下においては、それだけでは、体温の上昇は抑えられません。そこで、必要となってくるのが、「水分補給」です。トレーニング中や競技中、適切なタイミングで水分補給を行うことで、体温の上昇を緩やかにします。また、アイススラリーといって、「細かい氷の粒子が分散した状態の飲み物」を競技前に摂取することによって、競技中の深部体温の上昇を抑える(プレクーリング)の働きがある考えられています。

競技者のための暑熱対策ガイドブック(ハイパフォーマンスセンター)

4時間ほど冷凍庫で凍らせておき、飲むタイミングの15-20分前に常温にだし、手で揉むことで柔らかくして飲みます。冷たいものを触っているだけでも、若干、体の表面温度を下げることにつながります。

そのほか、アイスベストやアイスバスなど体を冷やすことによって体温を下げるアプローチも「リカバリー」に大切ですが、競技中にアイスバスに入るわけにはいきません。試合前や試合中、ハーフタイムでの適切な水分補給によって、深部体温をコントロールし、パフォーマンスの低下を食い止めましょう。

実際に、ラグビーチームに帯同していた時には、選手が通る導線状に何箇所か、トレーニング前の「準備」に必要な補食や飲料を設置してました。こちらの写真は、グラウンドに入る入り口です。体の痙攣予防のために必要なドリンクと30℃を超える日の練習時には、凍ったエネルギーゼリーと普通のエネルギゼリーと2種類用意してました。

2.脱水の予防

脱水とパフォーマンス低下は密接に関わっており、水分補給により、脱水を防ぐことがパフォーマンスを維持する上で、非常に大切になります。詳しくは、次の章でお伝えします。事前に水分補給戦略を、練っておくことで、トレーニングや試合でのパフォーマンス発揮につなげましょう。

3.熱中症の予防

水分補給の大きな役割として、「熱中症を予防する」ことが挙げられます。先ほども紹介しましたが、運動中は、様々な要因で体温が上昇します。過度な上昇によって、そして、状態が長時間続くことによって、体の正常の働きが失われるだけでなく、命の危険にもつながります。厚生労働省は、熱中症を「高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称」としています。熱中症は、「熱失神」・「熱痙攣」・「熱疲労」・「熱射病」の4つに分類されます。それぞれ症状に特徴があり、いずれもパフォーマンス低下の原因となるだけでなく、命の危険にもつながる可能性があります。(https://hori3.com/archives/1085)

特にアスリートは暑熱環境下における練習や試合によって、熱中症になるリスクは高いと考えられます。適切に水分補給を行うことで「体を守る」ことも忘れないでください。

4.リカバリー&体の機能維持

運動中、そして、運動後の「リカバリー」には、水分補給も必要不可欠です。運動中は、発汗によって、体内の「水分」「塩分(塩化ナトリウム)」・「カリウム」・「マグネシウム」などのミネラルが排出されます。暑熱環境下での練習前後では、適切に水分補給ができないと、練習強度にもよりますが、1時間あたり2ℓに及ぶ場合も示唆されています。実際に、冬に行われるラグビーの試合でも、体の大きい外国人選手などは、多い時には、試合前後で3kg以上減少していることもありました。それだけ、運動によって体水分量は減少するので、失った水分をしっかりと摂取して、リカバリーする必要があります。体重は主に「筋肉+脂肪+水分+骨」で構成されています。試合が続くと体重が連続して減少していく選手は、試合後の食事量や内容を見直すとともに、水分摂取量もチェックしていきましょう。また、ご存じだと思いますが、人の体の約60%は水分でできています。体の様々な器官において、水分は必要で、例えば、酸素や栄養を体内で運搬する血液にも水分が重要です。水分が不足しては、体の循環が滞り、各器官に必要な酸素や栄養が行き届かず、正常に機能しなくなります。そうならないためにも、水分補給は、やはり必要不可欠です。

アスリートが適切な水分補給戦略を持ち、実践していくことは、「パフォーマンス維持」だけでなく、「体を守る」ことにおいて、必要不可欠で、選手のスキルの1つだと考えています。今一度、水分補給戦略について、一緒に考えていきましょう。

水分不足がもたらす、パフォーマンスへの影響

水分不足は、体内の水分量が不足している状態を指し、これを「脱水症状」とも呼びます。脱水によって、「パフォーマンス低下」につながるだけでなく、筋肉の75%は水分でできているので、「Soft Lean Mass(体重から体脂肪や骨・ミネラルを除いた部分)」の減少(筋肉量の減少に近いニュアンス)、「リカバリーの妨げ」にもつながります。

脱水はパフォーマンス低下に直結

脱水によって、体の中では、パフォーマンス低下につながる様々なネガティブな症状が現れます。レベルによって、症状は変わりますが、軽いものから、最悪命を失ってしまう重篤なものまであります。

DNS ZONE 水分補給とパフォーマンス

体重の1%分の水分量を失うと、発汗や喉の渇き、口の乾燥などの症状が現れます。これらの症状は、脱水症状の始まりのサインとも呼ばれ、このような状態になるということは、水分補給のタイミングが遅いか、量が足りないということです。少し我慢すれば、耐えることもできる選手は多いのではないでしょうか。しかし、この症状が出た時には、もう時すでに遅し。これは、脱水症状が始まっていて、パフォーマンス低下につながる可能性が大です。すぐに水分補給を行いましょう。体重の2%近く、水分量を失うと、それはもう「脱水」で顕著にパフォーマンス低下につながる症状が出てきます。頭痛やめまいだけでなく、研究の症例では、体重の2%の水分量の減少を境に集中力の低下、スキルレベルの低下、心拍数や過度な体温の上昇などの症状が現れるとされています。筋肉の75%は水分でできており、水分量が減少することで、筋肉を正常にコントロールできない状態(痙攣)につながったり、筋出力が低下するなどの影響が出ると考えられます。「筋力の低下」・「持久的能力の低下」・「瞬発力の低下」・「認知機能(集中力/判断力)の低下」など、パフォーマンスの低下は避けられません。

パフォーマンス低下は避けれない「体の痙攣」

競技中やトレーニング中、足が攣るといった経験があるアスリートの方は多いのではないでしょうか?足が攣るなど体が痙攣している状態とは、言い換える「筋肉の伸び縮みをコントロールできない状態」です。筋肉は伸び縮みすることで、力を発揮しますが、様々な要因が重なって、筋肉が正常に伸び縮みできなくなることがあります。

筋肉の蓄積疲労や深部体温の上昇、生まれ持った筋肉の特性やトレーニングによる強化不足など、体の痙攣には様々な要因があり、まだ、研究でも明らかになってない点もありますが、栄養学的に見ると、「水分量の減少」「電解質の減少」・「糖質の不足」などあるゆる可能性が考えられます。運動によって大量に発汗すると、大量に水分やナトリウムイオンなどの電解質が減少するので、特にトレーニングや試合の後半で足が攣るといった症状が出やすくなります。

体の痙攣は、パフォーマンスの低下に直結し、競技の続行が難しい場合は交代しなえればなりません。この体の痙攣を予防するためには、前日からの食事や水分補給からの「準備」が非常に重要となります。また、試合当日や競技中の水分補給の戦略によって、パフォーマンスを発揮できる継続時間も変わってくるでしょう。私は、試合前の食事からの「準備」のチェック項目で以下のことを実施しています。ぜひ、参考にしてください。

パフォーマンスを発揮するための水分補給戦略

水分補給戦略を考える上でも重要になるキーワードは、「何」を「どれくらい」・「いつ」摂取するかです。特に私は、食事と同じく「タイミング」を重要視しており、パフォーマンスを発揮するターゲットにしたい時間から逆算して考えます。また、その時の体の状態や、プレー前までの準備の内容で、不足しているものは何か、優先すべきものは何かを考慮して、飲むものを考えていきます。

水を飲んですぐ効果が出るわけではない

水分補給も食事と同じで、飲んでから、小腸で吸収され、全身に運ばれ、細胞が潤うことで効果を発揮すると考えています。水を口に含んで、小腸から吸収され、細胞が潤うまでは約20分から30分はかかるとされています。つまり、喉が渇いたなと感じてから、水分を補給していては、完全にタイミングとしては遅く、パフォーマンスの低下は避けられない可能性が高いです。だからこそ、水分補給は先手、先手が必須です。また、1度に吸収できる量は、200-250ml(コップ1杯分)とされており、それ以上は飲んでも尿から排出される可能性が高いです。その点も考慮すると、水分補給のポイントは「こまめにちびちびと」です。

よくあるNG例として、「喉が渇いてから、一気飲みする」
一気飲みしても、すべて吸収できるわけではなく、尿として排出されます。たくさん飲んだつもりでも、脱水を改善するために必要な水分量を摂取したことにはならず、結果的にパフォーマンスの低下や熱中症につながる可能性があります。一気飲みではなく、こまめに水分補給を行っていきましょう。暑熱環境下では、「15-20分に1回 200-250mℓ」を目安に水分補給をするとよいでしょう。

シチュエーションによって何を飲むか考える

水分補給といっても、水やお茶、スポーツドリンク、経口補水など、様々な飲み物があり、それぞれ含まれる栄養素も違えば、飲むタイミングも変わります。「今、体は何が必要なのか?」水分補給の目的によって、飲むものを決めていきましょう。スポーツ現場では一般的に使われることが多い「水/お茶」・「スポーツドリンク」・「経口補水液」の特徴は以下の通りとなります。

例えば、「試合や練習中に失われるエネルギーを補給する」という目的であるならば、水やお茶でなく、スポーツドリンクを飲むことを考慮します。「大量発汗により、失った電解質を補う」ことが目的であれば、水よりはスポーツドリンク、さらに体が痙攣しそうなどの兆候が出そうな場合は、すぐに経口補水液を飲む方が良いでしょう。足が攣りそうな時に水だけを飲んでいても、あまり効果は発揮しない可能性が高いです。逆に、起床直後や入浴前後や食事中など、日常生活における水分補給では、経口補水液ではなく、水やお茶を飲むのが良いでしょう。経口補水液は脱水時に飲むものであり、日常生活で常用する飲み物ではありません。スポーツドリンクという選択肢もありますが、砂糖の含有量も多いので、日常生活でのがぶ飲みは体脂肪の蓄積や甘さが要因の脳の満足感(満腹感)から、食事量の減少にもつながる可能性があるので、日常生活においては、水や麦茶などを飲むことをおすすめします。また、アスリートは、コーヒーやアルコール、ジュースなどは、嗜好品であり、水分補給ではないと考える方が良いでしょう。基本的には、水やお茶、目的によってスポーツドリンクや経口補水液から、水分補給を行いましょう。

食事も立派な水分補給

水分補給といえば、飲み物をイメージする方が多いと思いますが、忘れてほしくないことは「食事も立派な水分補給である」ということです。一般的に、「1日3食の食事から1~1.5ℓの水分補給が可能」となります。食材にも水分は含まれ、「野菜や果物」の90%以上は「水分」です。また、調理においても、お米を炊くとき、煮物や汁物を作る時、水を使用しますよね?だからこそ、欠食しないということも、水分補給戦略においても、非常に重要です。脱水時に飲むと有効とされる経口補水液ですが、その塩分濃度は「味噌汁1杯分」と大体同じです。経口補水液1本飲むより、朝食で味噌汁1杯(約150-180cc)飲む方が飲む負担は少ないのではないでしょうか。食事も立派な水分補給です。

パフォーマンスを発揮するための水分補給戦略

水分補給戦略を練る上で、考慮しなければならないことは、「水分補給の目的」と「タイミング」、そして、「摂取量」です。練習時間や試合時間から逆算して、先手先手で水分補給をこまめに行うことが必要で、摂取したい栄養素や成分など、目的によって飲むものや温度を変化させていくことが必要です。また、尿の色や体重測定によって、絶えず、「脱水」していないかチェックを行い、摂取量を調整することも必要です。飲み物だけでなく、食事も水分補給であることを忘れずに、戦略を練っていきます。また、どうすれば、スムーズに水分摂取ができるか、入れ物や置き場所など、導線なども考えておくとさらに、水分補給戦略は充実したものになるでしょう。

1日のスケジュールを考慮した水分補給戦略

サポートしている高校野球チームでの水分補給戦略を例にポイントをお伝えしていきます。

1日のスケジュールを考慮した際にチェックしたいことは以下の通りです。

  1. 起床後、コップ1杯の水を飲むことから1日のスタート
  2. 朝食を必ず食べる
  3. 午前中の間に500mℓは水分補給を行う
  4. 昼食を必ず食べる
  5. 練習30分前には1度水分補給を行う
  6. 練習中は、15-20分に1回を目安に適切なものを飲む
  7. 練習前後で体重測定を行い、失った水分量の80%以上はその日のうちに回復する
  8. 入浴前後に飲む
  9. 就寝前にも必要に応じて、水分補給を行う

日々の「準備」「リカバリー」を徹底的に行うなら、このようにこまめに水分補給を行うことが必要です。まず、やってほしいことは、「起床後すぐに、水分補給を行うこと」です。なぜなら、私たちは就寝中に発汗し、水分を失っているからです。体の大きさや筋肉量、気温などによっても変わりますが、就寝中でも200-500mℓは、発汗により、水分を失うとされています。夏場はさらに多くの水分が失われることが予想されます。そのため、起床後と朝食でまず、水分を補給することでやっとスタートラインに立つことができます。午後から、練習があるとしても、「午前中のうちに500mℓは水分補給を行う」。そして、水分が小腸から吸収する時間を考慮して、「練習30分前」には1度水分補給を行いましょう。さらにできれば、練習前後に体重測定を行ってほしいです。「体重の減少=発汗量」です。2%以上減っていれば、それは「脱水」で水分摂取のタイミングが遅い&水分の摂取量不足です。練習で失った水分量の80%以上をその日のうちに回復することで、体重減少を防ぎ、またスムーズな「リカバリー」につながります。疲労回復には、入浴することが非常に大切ですが、入浴中にも発汗により、水分量は失われます。入浴前後の水分補給も必須です。また、就寝前の体重次第では、水分補給することも考慮しましょう。起床した時の体重より減少していれば、それは、食事量や水分量が不足している証拠です。特に増量を目指す選手は、「1日のスタート時より、体重が減っていない」ということを継続することで、大幅な体重減少は避けることができるでしょう。たくさんのチェック項目がありますが、毎日、やっていれば自然と習慣となります。常に飲み物を飲める環境にしておくということが大切で、こまめに水分補給を行っていきましょう。

飲む物は目的に応じて、内容や温度を使い分ける

繰り返しになりますが、水分補給の目的によって、何を飲むかを選択することで、より効果的な水分補給戦略となります。「エネルギー源が必要なのか?」・「電解質が必要なのか?」・「単純に水分が必要なのか?」その時の体の状態やそれまでの「準備」を踏まえて、水やお茶、またはスポーツドリンクや経口補水液など適切な飲み物を選択しましょう。

また、飲み物の温度によっても、飲みやすさや胃腸の負担、吸収時間などが変わってきます。

暑熱環境や体温を下げること必要がある場合は、「冷たい飲み物(5-15℃)」を選ぶと良いでしょう。胃にとどまる時間が短く、小腸からの吸収が常温や温かい飲み物に比べて速いです。ただ、胃腸への負担は大きく、特に2℃以下になると、胃腸の冷えから、お腹の不快感などが出るリスクがあるので注意が必要です。トレーニングや試合中は基本的には「5-15℃」くらいの飲み物が飲みやすく、吸収時間を考えても理にかなっているでしょう。日常生活にや季節によっては「常温の飲み物(20-35℃)」が有効な場面もあるでしょう。胃腸の負担も少なく、体温の変化も少ないことがメリットです。「温かい飲み物(60-80℃)」は、胃腸への負担が最も少ない反面、吸収にも時間がかかります。また、量を飲むことも大変だと感じる方も多いのではないでしょか?ただ、胃腸の負担が少ないことを考慮すると、就寝前や冬の日常生活においては温かい飲み物を取り入れるとよいでしょう。

体重測定や尿の色をチェックして、脱水を防ぐ

練習前後の体重測定などから、脱水を防ぐことをお伝えしましたが、もう1つ身近な場面で有効なのが、「尿の色」をチェックすることで、脱水かどうか判断する方法です。「URINE COLOR CHART」と呼ばれるもので、濃い黄色や茶色・赤色など尿の色の濃さによって、脱水レベルが分類されています。透明や薄い黄色の尿であれば、水分の摂取量は適切で、濃い黄色の尿が出ているときは、脱水状態なので、すぐに水分補給を行いましょう。基本的に起床後は、濃い黄色の尿が出ることが多いと思います。起床後、コップ1杯の水分補給から、1日のスタートを切りましょう。

大塚製薬 「スポーツ時の熱中症対策と対処法」

アスリートにとって、水分補給は、「パフォーマンス低下を防ぐ」&「体を守る」ために非常に重要で、「怪我や故障の予防」、「体組成の維持」においても重要な役割を果たします。紹介したポイントを押さえつつ自分の競技特性やスケジュールに合った水分補給戦略を練り、パフォーマンス発揮に向けて、実行していきましょう。水分補給もアスリートに必要な立派なスキルの1つです。水分補給に苦しいトレーニングは不要です。頭は使いますが、少し考えるだけで、ライバルと差がつけられるのであれば、自分なりの水分補給戦略を練り、習慣化させていった方がよいと感じたのではないのでしょうか?感じたなら、今すぐにできることから実行していきましょう。

本日のまとめ

  1. 水分補給には「体温調節」・「脱水予防」・「熱中症予防」・「リカバリー」などの役割がある
  2. 脱水は「パフォーマンスの低下」に直結する
  3. 「何をどれくらい飲むか」だけでなく「いつ飲むか」(タイミング)も重要視する
  4. 水分補給してから、小腸で吸し、全身に行き渡るまで30分はかかる
  5. 水分補給は「こまめにちびちびと」
  6. 目的によって、飲みものの種類や温度を使い分ける
  7. 起床後、コップ1杯の水分補給からスタート
  8. 体重測定や尿の色から脱水を防ぐ

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