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中学生アスリートが必要な栄養とは?

2024/10/11

中学生アスリートにおける栄養の重要性

プロのアスリートをサポートしているPerformance Nutritionistが、中学生アスリートに必要な栄養について紹介します。プロのラグビー選手やオリンピックを目指すレスリング選手、またプロ野球ドラフト候補の高校野球選手をサポートした経験から、将来活躍するために、中学生の頃(できれば小学生)の頃から、身につけておくと役立つなと感じたことをまとめました。トレーニングも非常に大切ですが、この時期だからこそ、やるべきこともたくさんあり、トレーニングだけでなく、栄養や睡眠の重要性も感じてもらい、パフォーマンスを発揮するための土台を確立して欲しいです。栄養や睡眠のパフォーマンスを上げていくことで、競技力の成長曲線も一気に加速するのではないでしょうか?中学生アスリートは、今すぐに実行して欲しい3つのこともお伝えします。

中学生アスリートにおける食事の役割

「なぜ、人は食べるのか?」
「アスリートと一般の方の食事に違いは?」
そう聞かれたら、あなたはなんと答えますか?
プロのアスリートにもお伝えしていることをこちらの記事でお伝えしているので、ぜひ、こちらもご確認ください。https://hori3.com/archives/2957(アスリートに必要な栄養について)

中学生アスリート、そして、サポートするあなたにまず、知っておいて欲しいことは、「中学生アスリートと普通の中学生では、食事の内容だけでなく、役割や目的が少し違うということ」

中学生の食事の目的として、AIの概要では、「健康な心身を育むために、成長期に必要とする栄養素を摂取すること」と定義されています。また、栄養素を摂取するだけに止まらず、食習慣や食文化を学ぶことで豊な心を育むこと。人間関係やコミュニケーションを形成することについても言及しています。「心も体も健全に成長するために食べる。」この事は、中学生がまず、最優先で考えなければならないことで、日々の生活で意識するべきポイントだと思います。中学生アスリートも「心と体を最大限成長させるために食べる。」こちらは非常に重要なことです。ただ、それだけに留まらず、中学生アスリートには、もう1つプラスαで意識してほしいことがあります。それは、「パフォーマンスUpのために食べる」ということ。中学生の段階から、「自己管理能力を高めること」は、非常に大切で、将来長くアスリートとして活躍するための大きな手助けになります。自分の体と向き合い、心や体の日々の変化敏感に気づいて欲しいです。その際に、「日々のパフォーマンスを上げるためには、何をしなければならないのか?」そのような視点を持ち、今、打ち込んでいる「競技のために必要な栄養を摂取する」という意識も少し持って、日々の食事のことについても考えていきたいです。

アスリートにとっての栄養や食事の意義

アスリートにとって、栄養や食事は、「パフォーマンスUp」のために必要不可欠なものです。栄養や食事には、以下の役割があると考えています。こちらの考え方は、年齢や競技に関係なく、すべてのアスリートに当てはまる内容です。中学生アスリートにとっても、もちろん大切な内容です。心や体の成長のためだけでなく、「自分はアスリートである」ということを常に忘れずに、日々、過ごしてほしいです。

  1. トレーニングにおける体づくりや効果を最大化するため
  2. 試合でパフォーマンスを発揮するため
  3. 怪我や故障を予防するため
  4. 頭で考えるため

中学生アスリートは、普通の中学生より、たくさんの栄養が必要

中学生アスリートは、普通の中学生よりも多くの栄養が必要とされます。体を成長させるために必要な栄養だけでなく、トレーニングに必要な栄養、リカバリーに必要な栄養、考えるための栄養(勉強+競技のことで頭を使う必要がある。)など、あらゆる所で栄養が必要とされます。

日本人の食事摂取基準2020(厚生労働省)によると、12-14歳の男女のそれぞれの参照体位は、男性160.5cm/49.0kg, 女性155.1cm/47.5kgです。そして、活動量によって若干変わりますが、活動レベルⅡ(普通)での12-14歳の推定必要エネルギー量は、男性2600kcal/女性2400kcalです。この数値は成人男性とさほど変わりません。また、女性においては、生涯において1番エネルギー量が必要とされています。

日本人の食事摂取基準2020 (厚生労働省)

活動量が普通の中学生でも男性2600kcal, 女性2400kcalとするならば、毎日、競技に打ち込んでいる中学生アスリートはさらに多くの栄養量が必要とされます。競技やトレーニングの強度、トレーニング時間などによっても変わりますが、男子中学生アスリートでは、3000kcal, 女子中学生アスリートでは、2800kcal前後は、最低でも必要となるのではないでしょうか。日々の体重変動をみながら、栄養量は調整していきましょう。文部科学省によると、中学校の学校給食では、1食のエネルギー量を830kcalと定めています。簡単にいうと、中学生アスリートは、給食と同じ量を3食食べても、必要なエネルギー量には足りないということです。現在の朝食の量はどれくらいでしょうか?給食と同じくらい食べることができていますか?体を大きくするためには、ぜひ、朝食の量を見直し、必要に応じて、補食なども活用することを検討しましょう。

成長期に必要な栄養と必要量

上記でも述べましたが、中学生アスリートは、「心と体の成長のための栄養」「パフォーマンスUp」のためにたくさんの栄養が必要です。ラグビーや野球選手のサポートを行いながら、日々感じていることは、自分の体を最大限活用できる能力があるなら、多くの競技でやはり「身長が高く、体が大きい選手の方が有利」なのではないかということ。パフォーマンスを発揮するためには、いろいろな要素が関わってきますが、強靭なフィジカルが必要で、パフォーマンスUpと筋肉量は関係しているということ。

人生の中で身長がぐんと伸びる時期は2回あるとされています。1回目は赤ちゃんの時(第1次性徴)で1年で約25cm伸びるとされています。次は、思春期の時(第2次性徴)で女子は11歳で約8cm,男子は13歳で約9cm伸びるとされています。そして、この時期を「成長スパート」と呼びます。この時期に、適切な運動と十分な栄養&睡眠をとることで、強い骨となり、その骨が体の土台となる部分になります。「強靭な体を作るためには、強い骨を作ることは、必要不可欠です。」パフォーマンスUpには、「パワーやスピードの強化」が必要で、その能力を狙ってトレーニングをしていきますが、その根本にあるのは、「筋力」であり、さらに元を辿れば「筋肉量」です。筋肉量Upを目指す際に、「骨格筋」という体を支える骨についている筋肉量を増やしていくことが大切ですが、「短くて脆い骨」と「長くて強い骨」を比べた時に、どちらが大きくて強い筋肉になるでしょう?それは、もちろん後者です。身長が高い選手の方が一般的に筋肉量は多くなります。そして、筋肉量とパフォーマンスは相関関係にあるので、やはり身長が高い方が競技には有利なことが多いです。身長は一般的に骨端線が閉じるまで伸びる可能性があり、男性では17歳、女性では15歳くらいで身長が止まるとされています。身長は遺伝による影響も大きいとされていますが、身長が伸びる可能性があるのなら、身長が止まるまでは、身長を伸ばすことにフォーカスすべきだと考えます。残念ながら、20歳を過ぎてから、身長を伸ばそうと思っても伸びません。だからこそ、中学生の時期は、強くて大きい体を作るために非常に大切な時期です。私は、大学まで野球をやってました。そして、今でもたまに草野球をやりますが、あと10cm身長が高ければ、また違った野球ができたし、違った世界があったんだろうなと今でも憧れの気持ちはあります。(私は166cmです。)

身長が伸びる時期は今だけ!!この機会を逃すと後悔する。今しかできないことを大切に。

成長期に特に強化したい栄養素

成長期に必要な栄養素と聞かれれば、私は「全部」と答えます。5大栄養素を過不足なく、すべて摂取する必要があると考えています。なぜなら、どれか1つの栄養素が体を成長させるわけでなく、すべての栄養素が関わり合うことで、栄養素は力を発揮し、体の成長へとつながっていくからです。なので、大前提として、5大栄養素を過不足なく摂取することは、身長を伸ばすためには必要不可欠です。

その中でも、不足しないよう注意が必要で特に強化が必要な栄養素を5つ挙げるとするならば、「タンパク質」・「カルシウム」・「ビタミンD」・「ビタミンK」・「亜鉛」です。(その他、鉄分・ビタミンC・マグネシウム・ビタミンB群etc. 強化したい栄養素はたくさんあります。)

強い骨を作るために必要な「タンパク質」と「カルシウム」

身長を伸ばしたり、強い骨を作るためには、いろいろなアプローチが必要ですが、栄養の観点で見ると、「骨を作る材料を十分に揃える」ということが大切なのではないでしょうか?骨の材料の中心となる栄養素が「タンパク質」「カルシウム」です。タンパク質の1種である「コラーゲン」という成分が、骨のしなやかさを生み出し、カルシウムがコラーゲンに付着することで、骨に強度を与えるとされています。筋肉、爪、皮膚、髪などの材料にもタンパク質は必要なので、成長期には十分「タンパク質」を摂取することが大切です。日本人の食事摂取基準でみると、12-14歳の男性のタンパク質の推奨量は60g、女性は50gとなっています。成長するためには最低でも体重と同じくらい、アスリートに必要なタンパク質の基準でいうと、「持久力が必要な競技で1.2~1.4」「瞬発系のスポーツで1.2-1.7g(Max2.0g)」とされているので、こちらを参考にしっかりタンパク質を摂取したいです。中学生のカルシウムの推奨量は男性1000mg、女性800mgです。カルシウムが多いとされている牛乳1本分(200ml)のカルシウム含有量で220mgなので、1日3食+間食で意識しないとカルシウムの摂取量は不足しやすいので注意しましょう。カルシウムが豊富な食材である、乳製品・小魚類(煮干し、しらすや桜エビetc.)・大豆製品・ひじき・小松菜・春菊・大根やカブの葉などを積極的に活用していきましょう。

「ビタミンD」&「ビタミンK」で骨作りのサポート

ビタミンDは、カルシウムの吸収を手助けし、骨の成長や健康をサポートする役割があります。その他、免疫力アップや筋肉や神経の正常に機能させるためにもビタミンDは必要です。ビタミンDは、主に日光を浴びることで体内で生成されますが、食品からも摂取して手助けすると良いでしょう。さけ・いわし・さんま・かれい・ぶりなどの魚類やきくらげ・干し椎茸・舞茸・エリンギなどのきのこ類に豊富に含まれています。また、ビタミンKは、骨に存在している「オステオカルシン(カルシウム結合タンパク質)」を活性化し、カルシウムの骨への沈着化を促進する役割があります。ビタミンKは納豆・ほうれん草・春菊・ブロッコリー・小松菜・モロヘイヤ・わかめ・海苔などに多く含まれます。タンパク質の摂取や腸内環境向上などあらゆる点を踏まえても、納豆は体づくりに非常におすすめの食材です。

成長ホルモンなどの分泌を促進する「亜鉛」

亜鉛は主に味覚や免疫機能を正常化させるために必要な栄養素として、知られていますが、「成長ホルモン」などのホルモンの分泌を促進する働きもあるとされています。「身長が伸びる時間帯はいつでしょう?」それは、寝ている時です。「成長ホルモン」は、睡眠中に脳の下垂体から分泌されます。特に「深い睡眠時(ノンレム睡眠)」に分泌量が最大となります。この「成長ホルモン」が、子供の成長を促し、身長を伸ばすためには非常に重要です。つまり、身長を伸ばすためには、「成長ホルモン」をしっかりと分泌させることが必要で、そのためには、深い眠りが必要です。身長を伸ばすために、しっかり寝ましょう。ゲームして、夜更かししている場合ではありません。将来もアスリートとして、活躍したいなら、早く寝てください。また、成長ホルモンの分泌を促進する働きのある「亜鉛」も日常生活の食事で積極的に摂取しましょう。「亜鉛」は牡蠣・スルメ・豚レバー・牛肉・卵・チーズ・高野豆腐・納豆など、肉類・魚介類・卵類・種子類(ごま・ナッツetc.)に豊富に含まれています。

将来、活躍するために中学生アスリートが今すぐやるべき3つのこと

できれば、小学生のうちから身につけておきたいですが、中学生からでも遅くはありません。日常生活で中学生アスリートが今すぐやるべきことを3つ紹介します。意識次第ですぐにできる内容なので、今すぐ実行に向けて、動き出してください。将来、活躍するためのベースともなるので、早くから身につけておいて損はありません。むしろ、大きな手助けとなるでしょう。今すぐやるべき3つのことは以下の通りです。

  1. 朝ごはんをしっかり食べる
  2. 好き嫌いをなくす
  3. 早く寝る

どれも特別なことではなく、普通のことだと感じるかもしれません。しかし、この3つは非常に重要です。

1.朝ごはんをしっかり食べる

アスリートである以上、朝食を食べないなんてはっきり言ってお話になりません。朝食を欠食することや量が少ないことによって、「パフォーマンスUp」に必要な「トレーニング効果を最大化」させるための「準備」と「リカバリー」に支障が出ます。(https://hori3.com/archives/3094)まず、アスリートは、普通の方より、栄養がたくさん必要なことを紹介しました。「1食欠食することで、必要な栄養量を満たすことができない可能性があります。」昼食や夕食・間食を増やすことで賄うこともできますが、1食の量が増えれば増えるほど、胃腸の負担は大きくなります。それによって、睡眠へ影響し、疲労回復が間に合わず、コンディションの悪化にもつながりやすいです。また、たんぱく質をはじめ、栄養素の中には、1回で吸収できる量に上限がある栄養素があります。1食の量が多くなると、吸収しきれない栄養素も増える可能性があり、体づくりの効率が悪くなる可能性があります。また、午前中のトレーニングや試合でパフォーマンスを発揮するならば、朝食からの「準備」が必要不可欠で、動くためのエネルギー源を蓄える必要があります。「普段、朝食を食べてないのに、試合の日だけ朝食をしっかり食べることなんてできるのでしょうか?」 苦しい思いをして、トレーニングしてきたのに、エネルギー不足で、パフォーマンスを発揮できなかったとしたら、あなたはその結果に納得できますか?きっと後悔すると思います。また、エネルギー不足等が原因で起こる怪我や故障もあり、食事から防ぐことができる可能性があります。今後、高校生・大学生・プロの舞台での試合のスケジュールを考えた時、午前中から試合をすることはザラにあると思います。高校野球の第1試合となった場合、開始時間から逆算すると朝5時ごろに朝食を食べることもあると思います。その時にしっかりと朝食を食べるためには、普段の生活から、朝食を食べる習慣が必要不可欠です。そして、高校生なれば、今よりも必要な栄養量は増え、大学生・プロになると、さらにトレーニング量や強度の増加、自身の筋肉量の増加などにより、必要な栄養量が増えます。そのため、朝食の重要性はさらに高まっていきます。今、朝食を食べることができていない選手は、いろいろな原因があると思いますが、まずは早く寝ることを意識して、気持ちよく朝起きる。そして、少しでいいので何か食べることから始めていきましょう。量が少ない選手もアプローチは同じです。気持ちよく目覚め、朝食を食べる準備を行い、少しずつ量を増やしていきましょう。どうしても、難しい場合は、朝食を2回に分けるor午前中にも補食を活用するなどの対策を考えましょう。

遠征時のあるラグビー選手の朝食。これで腹8分とのこと。笑 大きな体を維持するには、選手によってはこれくらい朝食が必要となってきます。

2.好き嫌いをなくす

食材に含まれる栄養素はすべて異なります。そして、栄養素はそれ単体で活躍するというよりも、いろんな栄養素がお互いを手助けすることで、効果を発揮します。ということは、1つの食材を大量に食べることで特定の栄養量を満たすよりは、いろんな食材を組み合わせることで、必要な栄養量を満たす方が結果的に、多くの種類の栄養素を摂取することにつながります。そのため、嫌いな食べ物がたくさんあるよりは、少ない方がメリットは多いです。また、今後、高校の強豪チームに進学したり、大学生でも競技を続けるとなった時に、寮に入寮する選手も多いのではないでしょうか。そこでは、自分が好きな食べ物だけを摂取するというわけにはいきません。高校や大学によっては、専属の栄養士がおり、必要な栄養量を計算して、メニューを組み立てます。また、トレーニング量も多いため、必要な栄養量を満たすために、ものすごく食べる量も増えますし、コーチや上級生が食べる量をチェックするチームもあるでしょう。想像してみてください。そのような環境で「これは嫌いなので食べられません。」アレルギーは別として、その環境で、嫌いな食べ物なので残すというのは、かなり度胸がいると思います。それならば、何が食事で出ても対応できるよう今のうちから、好き嫌いをなくす努力をしてください。

ある日、見つけた新聞記事。これだけの栄養量が必要なのかは、トレーニング量を見ていないので疑問ですが、3000kcalくらいで足りるような練習量ではないんだろうなとは、想像はできます。

また、例えば、遠征などに行く場合もホテルの食事となることが多いですし、それが世界となった場合は、必ずしも日本食が出てくるわけではありません。パリオリンピックのセブンス(ラグビー)に出た選手の話を聞くと、中東での遠征時は、パスタばっかりだったり、味が濃かったり、やはり、自分が食べたいものや好みの味付けで提供されるわけではありません。東京オリンピックの選手村の食事の提供の仕事も経験しましたが、世界各国共通な料理が中心ですが、やはり現地の食事のカラーは出やすいと思います。現地に暮らす場合は、現地で簡単に日本食の材料が手に入らなかったり、高い場合があります。現地の食文化、環境に慣れる必要があり、対応することも大切です。そうなると、今の段階から、「嫌いな食材をなくすこと」と、「和食だけでなく、世界各国のあらゆるジャンルの食事を食べておくこと」も役立つのではないでしょうか。食べることができるジャンルや食材が多ければ多いほど、食選択の際の引き出しは増え、「準備」や「リカバリー」する際の手助けとなるでしょう。嫌いな食べ物や嗜好には遺伝的な要素も含まれ、克服することは容易ではありませんが、1回と言わず、何回もトライして、嫌いな食べ物を減らしていきましょう。その際に、「旬の時期の美味しい食材を選ぶ」「家族や友人との楽しい食環境を作る」などの工夫も役立つでしょう。

3.早く寝る

身長を伸ばすためには、「睡眠」が必要不可欠なことも先ほど、お伝えしました。残念ながら大人になってからは身長は伸びません。今の時期から高校生の間にしか、身長が伸びない可能性が非常に高いです。そうであるならば、やはり、中学生アスリートは、「パフォーマンスUp」だけでなく、「身長を伸ばすこと」を始め、体づくりにも集中してほしいです。今の時期に強い骨を作り、土台を作ることは、将来、「飛躍的にパフォーマンスを上げていくこと」「怪我をせず、トレーニングに耐えられる強靭な体を作る」上でも、非常に重要だと思います。だとしたら、夜更かししている場合ではなく、1分1秒でも早く寝て、次の日の「準備」に備えて欲しいです。「成長ホルモン」を分泌せることは、身長を伸ばすだけでなく、筋肉や疲労の回復を始め「リカバリー」にも非常に重要です。質の良い睡眠時間を十分に確保しなければ、リカバリーは追い付かず、コンディション低下の原因につながります。アスリートは、食事の内容だけでなく、「タイミング」も非常に重要で、試合時間から逆算して、朝食の時間を考えます。そして、朝食の時間を逆算して、就寝時間を決めます。そうすると、やはり、22時までには眠る必要があることが多いです。ゴルフなどの選手は、もっと就寝時間は早いでしょう。パフォーマンスを発揮するための「準備」「リカバリー」を考えても、今のうちから、「早く寝る習慣を作ること」は、今だけでなく、将来も必ず役立つに違いありません。

自己管理能力が高い選手は、睡眠にもこだわっており、睡眠の重要性を認識しています。遠征時にも、自分のマットレスを持参するなど、睡眠にも気を遣っています。また、リカバリーウェアを着用したり、季節によっては、加湿器やエアコン、サーキュレーターなどを使い睡眠環境も整えています。

今まで、多くのプロの選手を見てきましたが、活躍する選手には共通点があると思っています。それは、特別なことだけではなく、意外と基本的なことであったり、私たちでもできることであったりします。どこまで徹底し、継続できるか。そこに差が生まれるのかもしれません。

なんでも食べることができ、疲れていても、緊張していても、どこでも、どんな環境でも、朝からしっかり食べることができ、食事を楽しむことができる選手。そして、睡眠を大切にし、どこでも眠ることができて、たくさん寝る選手。このような選手は、自己管理能力も高いことを始め、パフォーマンスを発揮するための必要な「準備」と「リカバリー」を高い質で継続できる傾向にあるのかなと感じています。そのような積み重ねが、試合でも結果を出すことにつながり、長くアスリートとして活躍することにつながっているのではないかと感じています。だからこそ、できるだけ早い段階から「朝食をしっかり食べる」・「好き嫌いをなくす」・「早く寝る」この3つを習慣化させることが非常に大切だと考えています。中学生アスリートは、将来、さらに活躍するために今すぐにこの3つを日常生活から取り組んでいってください。

本日のまとめ

  1. 中学生アスリートは、「心と体を最大限に成長するため」+「パフォーマンスUp」のために食べる
  2. 中学生アスリートは、一般の中学生より、必要な栄養量が多い
  3. 成長期は、5大栄養素を十分に摂取する。その中でも「タンパク質」・「カルシウム」・「ビタミンD」・「ビタミンK」・「亜鉛」が不足しないよう注意する
  4. 将来活躍するために、「朝食を食べる」・「好き嫌いをなくす」・「早く寝る」の3つを今すぐやる

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