スポーツ栄養 食事

試合前の食事 〜献立作成の必勝法〜

2020/02/20

こんにちは。

「試合前、一体何を食べたらいいのか?」

そのように、疑問に思っている選手も多いのではないでしょうか?

栄養で、試合のパフォーマンスに影響が出てしまうとしたならば、

栄養のことも、知りたいとは思いませんか?

「これを食べると、絶対に試合に勝てる!」

 

残念ながら、そのような食べ物はこの世に存在しません。

しかし、1つだけ確かなことは、

トップアスリートは、試合で勝つために、

栄養のこともしっかり考え、調整しています。

最高のパフォマンスを発揮するためには、

栄養面のサポートも欠かせません。

 

前回、試合前日の夕食の鉄則を3つあげました。

今日は、その点をふまえ、献立を考える際のコツを紹介します。

基本的な考え方をマスターすれば、メニューは無限大です。

好みや旬によってアレンジしていきましょう。

その積み重ねが、あなたのおうちの勝利メシとなります。

 

まずは、前回の復習から。

 

試合前の夕食の鉄則3つ

  1. 糖質中心のメニューでエネルギー源を確保する。

  2. 消化の良い食事を心がける。

  3. 腹痛の原因となる食べ物を避ける

試合前の食事  〜最高のパフォーマンスを発揮するための3つの鉄則〜 - ほりさんの食選択応援Blog

 

 

 

試合前の献立を考える際の2つのポイント

  1. 糖質水分をうまく組み合わせること。

  2. エネルギー源であるグリコーゲン最大限貯蔵することを意識。

勝負の分かれ目は、

「いかに無理なく糖質水分を取り入れることができるか。」

 

この糖質・水分の2点を意識していきましょう。

それでは、具体的な方法を伝授します。

 

その① 主食からしっかり糖質を確保しよう!

試合前の食事で大切なことは

「どれだけエネルギー源となる糖質を摂取できるか」

糖質の摂取がポイントになってきます。

 

簡単に言えば、

「どれだけ糖質が多く含まれている主食や食材を取り入れることができたか。

糖質の摂取量で、グリコーゲンの貯蔵量は変わってきます。

 

それでは、「どのように、糖質を無理なく増やしていくか」をお伝えします。

 

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ます、基本的な考え方として、

「糖質は主食から、十分に確保しましょう。」

主食が1番糖質を確保しやすいです。

 

主な主食

  1. ごはん
  2. パン

まずは、ベースとなる主食を決めましょう。

個人的には、消化の良い白ごはんをベースにするのがおすすめです。

なかなか、それだけでは飽きるという場合は、

パンや麺を取り入れてもOK。

 

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ごはんをたくさん食べることができる。

これは、ひとつの長所であり、選手のスキルのひとつだと考えます。

 

このような選手は、内臓が強く、

すばらしい胃袋の持ち主です。

成長も回復も早く、強い選手なのではないでしょうか。

 

しかし、ごはんだけを丼で何杯も食べることは想像以上に大変です。

すぐに達成できるものではありません。

 

そこで、主食を増やすための工夫を2つ紹介します。

 

主食を増やすための2つのコツ

  1. 献立に主食を2つ取り入れる。

  2. ごはん自体にをつける。

 

1. 献立に主食を2つ取り入れる。

私は、主食・主菜・副菜2・汁物がそろった

「1汁3菜」と呼ばれるスタイルの食事を

バランスの良い食事として普段は推奨しています。

 

しかし、試合前の食事では

「主食を2つ取り入れる」ことで

糖質を無理なく確保することができます。

 

具体的な方法

「麺+ごはん」

麺とごはんを組み合わせた献立にすることをおすすめします。

 

(例)

  • 「うどん+おにぎり」
  • 「ごはん+ミニうどん」
  • 「パスタ+サンドイッチ」 etc

これならば、無理なく糖質を確保することができるのではないでしょうか。

 

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さりげなく、おにぎりをお皿に持っておく。

 

 

2.ごはん自体に味をつける

  • 親子丼のように丼物にする。

  • 炊き込みごはん混ぜごはんにする。

  • 酢飯にする。

親子丼

炊き込みご飯

 

このように、ごはん自体に味を付けることで

よりごはんが食べやすくなるのではないでしょうか。

 

また、ごはんが進むように

  • 味の濃いおかずにする

  • 納豆ふりかけキムチを追加する。

味の濃さを調整したり、ごはんのお供を組み合わせることも効果的です。

 

 

その② いも類やかぼちゃで糖質を確保しよう。

主食以外にも、糖質を増やす工夫はあります。

それは、

糖質が豊富ないも類・かぼちゃを取り入れること。

 

副菜を肉じゃがにすることで、じゃがいもを無理なく取り入れることができます。

また、かぼちゃも肉のそぼろあんかけと組み合わせることで

より食べやすくなるのでおすすめです。

食材にうまくイモ類・かぼちゃを組み合わせていきましょう。

 

おすすめのいも・かぼちゃ料理

  • 肉じゃが
  • かぼちゃのそぼろあんかけ(芋類でもOK)
  • 里芋の煮っころがし 
  • 長芋の煮物
  • 長芋のふわふわ焼き
  • いも・かぼちゃのみそ汁
  • マッシュポテト etc

私は、肉じゃがやそぼろあんかけなど、

煮物で積極的に追加しています。

 

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その③ ビタミンB群で効率アップ。

糖質を十分に確保したならば、次に考えることは、

効率的に糖質をエネルギー源に変えること。」

 

糖質をエネルギー源として、使うためには、

補酵素となる「ビタミンB1」の摂取がポイントとなります。

 

献立に糖質ビタミンB1を組み合わせることで

ヒトの体は円滑に糖質を代謝することができます。

 

ビタミンB1が豊富な食べ物は?

ビタミンB1が豊富で普段の食生活に取り入れやすいものは、

ズバリ

「豚肉」です。

 

豚肉

他にもビタミンB1が豊富な食べ物は

  • うなぎ
  • 玄米
  • くり
  • 大豆  etc

消化に負担が大きいものが多いので、豚肉がおすすめです。

 

 

豚もも肉を主菜のおかずとして使ったり、

麺の具材として利用することで

無理なくビタミンB1を確保することができます。

ぜひぜひ、豚肉をうまく取り入れてみてください。

 

個人的には、豚のひき肉を味噌汁に使います。

体も温まり、消化も良いのでおすすめです。

 

「アリシン」という栄養素を組み合わせると

ビタミンB1の吸収率はアップします。

ニンニクたまねぎねぎなどを具材として

追加することもおすすめ。

 

食事からの水分補給も忘れずに!

試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、

水分補給が大切なことは言うまでもありません。

 

ただ、水分補給といえば、

水やスポーツドリンクからの水分摂取を

イメージされる方が多いと思います。

 

もちろん、飲料からの水分補給も大切ですが、

実は食事からも水分補給をできることご存知ですか?

 

 

食事からも水分摂取 意外と多くの水分を摂取できる。

ヒトは水分出納といって、

水分の摂取量と排泄量が同じになるように調節されています。

このバランスが崩れることで

「脱水」「体内に水分が溜まりすぎる」

といった状況に陥ります。

一般的な水分の内訳は以下の通りです。

 

摂取量(in)

  • 飲料水  1200㎖
  • 食事   1000㎖
  • 代謝水  300㎖

排出量(out)

  • 尿    1300㎖
  • 便    200㎖
  • 不感蒸泄 1000㎖

 

食事からなんと約1ℓも水分を摂取しています。

食事から水分を確保することも非常に大切なポイントです。

 

食事から水分補給をするための2つのポイント

  1. 汁物煮物を献立に取り入れる。

  2. 水分の多い食材を利用する。

 

1.汁物や煮物を献立に取り入れる。

汁物を献立に取り入れることで無理なく水分を確保できます。

 

例えばみそ汁

家庭用の汁椀で1杯飲むだけで約120㎖の水分を摂取できます。

 

また、スープなどもおすすめです。

ビタミンB群やビタミンC群のような水溶性のビタミンは栄養素が水に溶け出します。

しかし、スープならば、溶け出した栄養素も汁ごと摂取できます。

汁物で水分も栄養素もしっかり確保!

 

また、煮物を作る際には水が必要です。

カレーやシチューを作る際にも水を加えますよね?

 

こう考えてみると、意外と料理に水を多く使っていることがわかります。

献立に煮物を組み合わせることで、自然と食事から水分を確保することができます。

 

煮物も水分補給

 

 

2.水分の多い食材を組み合わせる。

水分が多い食材といえば

野菜

果物

 

野菜に関しては食材の約90%以上が水分といった食材がほとんどです。

同様に果物も水分が非常に豊富です。

 

試合前は糖質を確保することが最優先なので、

無理して生野菜を取り入れる必要はありません。

 

しかし、野菜を取り入れることでのメリットもあります。

  1. 水分補給の助けになる。

  2. 疲労効果に期待できるビタミンCが確保できる。

  3. 見た目や彩りが鮮やかになり、食欲が増す。

なので献立に無理なく野菜を加えてみてはいかがでしょうか?。

その際はビタミンCが豊富な緑黄色野菜をおすすめします。

また、いちご・キウイ・オレンジ・柿のような果物も

水分・ビタミンCが豊富でおすすめです。

 

果物類

 

 

アスレシピのご紹介

種目別やシチュエーション別など、

スポーツ栄養士のみなさんが考案したレシピ集「アスレシピ」

主食・主菜・副菜とレシピも豊富なのでみなさんもぜひ、参考にしてみてください。
アスレシピ:アスリートのためのスポーツ栄養・食育サイト

 

充実した食事で、心も身体もフルパワー。

食事からライバルに差をつけ、

試合で最高のパフォーマンスを発揮するための準備をしましょう。

 

本日のまとめ

「試合前の献立を考えるコツ」

  1. 糖質水分をうまく組み合わせること。

  2. エネルギー源であるグリコーゲン最大限貯蔵することを意識

具体的には・・・・

  1. 主食から糖質を十分に確保すること。(主食を2つ or 味付きごはん)

  2. いも類かぼちゃでさらに、糖質アップ。

  3. 豚肉で糖質を効率よくエネルギーに変換。(ビタミンB1)

  4. 汁物・煮物で水分補給。

  5. 野菜・果物も水分&ビタミンCを確保。

勝利

 

次回、実際に試合を想定して、試合前の夕食や当日の朝食・お弁当などを考えていきます。

そして、実際に調理をしたものを紹介していきたいと思います。

試合前の朝食 〜朝からエネルギーチャージ〜 - ほりさんの食選択応援Blog

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