アスリートの水分補給 体内における水の働き
2020/02/28
6月の下旬に入り、九州や関西でも、梅雨入りが発表されました。
過去最も遅い梅雨入りだそうです。
今年は、5月でも暑い日が多く、残念ながら、
熱中症で命を落とされた方もいらっしゃいました。
そして、これからの季節、ますます暑くなってきます。
そこで大事になってくるのが、
水分補給。
パフォーマンスの低下を防ぐだけでなく、
自分の身体を守るためにも水分補給は必要です。
本格的に夏に入る前に、
もう1度水分補給の重要性を確認していただき、
参考にしていただければと思います。
第1回目の今日は、
体内における水分の働きを中心にまとめていきます。
目次
水は、生きるために、必要不可欠! 体内における水分の働き
水分は、人が生きていくために、必要不可欠なものです。
水がなければ、私たちは生きていくことができません。
人の体は、毎日、水分の摂取と排出を繰り返しながら、
体内で水分のバランスを調整しています。
水分は、のどを潤すだけでなく、
体内で実に多くの役割を担っています。
そのため、水分補給の仕方によって、
コンディションが大きく変わってきます。
コンディションを維持する上でも、アスリートにとって、
正しい水分補給の仕方を身につけることが大切だと考えます。
水分補給のポイントを紹介する前に、
まずは、体内における水分の基本知識についてまとめていきます。
1日に必要な水分摂取量
https://www.yomeishu.co.jp を参照
個人の体重によって異なりますが、
1日に必要な水分量は2.5ℓといわれています。
毎日、2.5ℓの水を飲み物や食べ物・代謝水から摂取しています。
そして、尿や便、呼吸や汗などから2.5ℓの水を排出しています。
普通に生活していても、これだけ多くの水分が必要となってきます。
発汗が多くなる夏場や、
運動量が多いアスリートは
水分補給の意識をより強く持つことが必要となってきます。
また、ここで忘れてはいけないことは、
水分補給は、飲みものからだけではないということ。
食事からも水分補給ができます。
1日3食の食事で約1ℓの水分補給ができます。
食事からも、効率よく水分補給をすることが、
無理なく、必要な水分量を確保するポイントです。
アスリートにとって、1回の欠食は、
体を作るための材料を確保するチャンスを失っただけでなく、
水分を確保するチャンスも失ったということを意味します。
人の体は水からできている!
https://obs.line-scdn.net を参照
人の体は水でできている。
あなたもご存知だと思います。
成人では、なんと体重の約60%が、水でできています。
赤ちゃんは体重の約80%が水分でできており、ピチピチです。
そして、加齢とともに、体内の水分量は減っていきます。
成人の体内の水分・・・60%
- 細胞内液・・・40%
- 細胞外液・・・20%
*細胞外液・・・ 細胞の外に存在する体液
- 間質液・・・15%
- 血漿・・・5%
血漿とは、血液の中に含まれる成分のことです。
体重の1/13は血液 ところで、血液の成分は?
個人差もありますが、人の循環血液量は、体重の約1/13。
男性では体重の約8%、女性では約7%ともいわれています。
仮に75kgの成人男性ならば、約6ℓの血液が体内に流れています。
血液は、全身に栄養や酸素、熱を運搬するなど、
非常に重要な役割を担っています。
そのため、最大限のパフォーマンスを発揮するためには、
質の良い血液も、必要な要素のひとつだと考えます。
その血液は何で構成されているかご存知ですか?
薬療研のホームページより
血液は、血球と血漿で構成されます。
血球・・・赤血球・白血球・血小板
血漿・・・水分・タンパク質など
血液の55~60%を占める血漿のうち、約90%が水分です。
つまり、血液の約半分は、水分で構成されています。
という訳で、
水分補給は、血液を作る上でも必要不可欠だということです。
透明な水から、真っ赤な血液が出来上がることは、あまり想像できませんが、
水分補給の仕方によって、血液にも影響が出るということです。
体内水分の調整 脱水には特に注意しよう!
体内の水分は、腎臓によって、正常に調整されています。
また、水分調整には、水と電解質(ナトリウムイオンetc)が関わっています。
摂取された水は、腸壁から吸収されて、血液に入ります。
また、体内に吸収された食塩は、
体液中の電解質として、体内の内部恒常性を保つことに関与しています。
水分バランスが正に傾くと浮腫。
負に傾くと脱水になります。
通常、腎臓が健康であれば、
体内の水分バランスを正常に保つことができます。
しかし、大量に発汗した時や下痢などの時には、
水分不足による脱水を特に注意する必要があります。
脱水によって、体温上昇などによるパフォーマンスの低下は避けられません。
また、それだけでなく、熱中症のリスクもあることを忘れてはいけません。
体内水分における重要な機能
体内水分には、いろいろな重要な働きがあります。
その中でも、重要なことは、
「水分は他の栄養素が正常に機能するのに必要」
だということです。
いろいろ栄養素を摂取しても、
水分がなければ、摂取した栄養素が効果的に働きません。
現代では、いろいろな栄養素が不足しがちといわれ、
数多くのサプリメントや健康食品が大量に流通しています。
人は栄養不足という言葉には、敏感です。
しかし、水分についてはどうでしょうか?
もちろん、栄養不足を改善することは、とても大切です。
しかし、まずは、必要な水分量を確保できているかを
チェックすることも大切なのではないでしょうか。
その他にも、重要な体内水分の機能として、以下のものがあります。
- 体を作る細胞そのものの材料となる。
- 脊髄や脳などの身体組織を守る。
- 体内浸透圧の調整と電解質のバランスを維持する。
- 栄養素や老廃物を運搬する。
- 感覚機能の維持。(聴覚・視覚・嗅覚・味覚にも関与している。)
水分は、体内でこれだけ多くの重要な役割を果たしています。
水分がなければ、生きていくことはできませんし、
コンディションが悪化するのも納得です。
本日のまとめ
-
人の体は、水でできている。
-
水分補給は、血液にも影響する。
-
脱水は、パフォーマンスの低下に直結する。
-
水分補給は、飲み物だけでなく、食事からも摂取できる。
-
他の栄養素を正常に働かせるためにも、水分は重要。
今回は、体内における水分の働きを中心にまとめてみました。
水分は生きていくために、必要不可欠です。
また、体内において、数多くの重要な役割を果たしていることを
再確認していただければ幸いです。
生きていく上でも、大切な水分補給。
さらに、最大限のパフォーマンスを発揮する上でも
水分補給は大切です。
次回、アスリートにおける水分補給の意義について、
考えていきたいと思います。
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