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パフォーマンスを落とさない!アスリートのための水分補給完全ガイド【熱中症・脱水・体温調節】

2025/04/17

🏃‍♂️ 試合で勝つには「水分補給力」もトレーニングのうち!

梅雨に入り、蒸し暑い日が増えてきました。
そして来月からは、いよいよ高校野球の地方大会がスタート。

この時期こそ、しっかり整えておきたいのが——水分補給です!

前回は「体の中で水がどんな働きをしているか」をご紹介しましたが、
今回は【なぜ水分補給がパフォーマンスに直結するのか?】を深掘りします。

✅ 水分補給の意義|ただ飲むだけではもったいない!

水分補給には3つの大きな目的があります👇

  1. 体温調節を助ける(=熱中症予防)

  2. 脱水を防ぐ(=パフォーマンス維持)

  3. 身体機能を安定させる(=集中力・判断力キープ)

💡知っているか知らないかで、試合の結果が変わるかもしれません!

🌡 パフォーマンスに影響する「体温調節」

人は常に「体熱の産生と放散」で体温を一定に保っています👇

上昇要因 低下要因
運動・筋収縮・太陽・地面からの放射熱 発汗・呼吸・皮膚血管の拡張・放射

試合中は、これらが複雑に絡み合い、
うまく体温を調整できないとパフォーマンスが一気に低下します。

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新版 コンディショニングのスポーツ栄養学 参照

体温調節の仕組み

体温調節

生理検査アティテュード 参照

🧠 熱中症に要注意!4つのタイプと対策

分類 主な症状 対処法
熱失神 めまい・顔面蒼白 安静+水分補給
熱痙攣 手足のけいれん 塩分+水の補給
熱疲労 倦怠感・頭痛・吐き気 涼しい場所で休息
熱射病 意識障害・ふらつき 即座の冷却・救急要請

特に「熱射病」は命に関わる状態なので、予防が最優先

スポーツ活動中の熱中症予防8ケ条

  1. 知って防ごう熱中症

  2. あわてるな、されど急ごう救急処置

  3. 暑い時、無理な運動は事故のもと

  4. 急な暑さは要注意

  5. 失った水と塩分を取り戻そう

  6. 体重で知ろう健康と汗の量

  7. 薄着ルックでさわやかに

  8. 体調不良は事故のもとである

日本体育協会では「熱中症予防8カ条」としてまとめ、

熱中症事故をなくすための呼びかけを行っています。

💦 脱水がパフォーマンスを下げるメカニズム

水分が不足すると…

  • 血液がドロドロになり流れが悪くなる

  • 栄養や酸素の運搬効率が落ちる

  • 脳や筋肉の反応も鈍くなる
    → 結果、プレーのキレがなくなり、集中力も低下!

さらに…

  • 体重の2%の水分損失 → 明確な運動能力の低下

  • 3%以上の損失 → 頭痛・吐き気・パフォーマンス不能

*症状と運動能力から見た水分喪失度の予測

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木村修一, 小林修平監訳:最新栄養学第7版.  Chapter 10, 水分, pp96-105, 建帛社, 1997

📈 科学的にも明らか|水分と体温・運動能力の関係

  • 「水分補給なし」では体温上昇が早く、運動継続が困難に

  • 「発汗量と同じ水分補給」をした群では、体温の上昇が最も抑制!

💡つまり、 👉「好きなだけ飲む」より「必要量を計算してこまめに補給」が効果的!

*暑熱環境下での歩行運動に及ぼす水分摂取の効果

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青木純一郎:スポーツと水分補給. 最新医学 43 pp2190-2194 1988

🚰 水分補給の目安とコツ

タイミング 推奨量
試合前 250〜500mL
試合中 1時間あたり500〜1000mL(200〜300mLずつこまめに)
1日全体 約2.5L(体重×4%が目安)

💡水分補給のチェック方法:

  • 尿の色が濃い・量が少ない → 不足のサイン

  • 運動前後の体重でチェック → 体重の2%以上減少なら要注意!

📝 まとめ|「のどが渇いてから」では遅い!

✅ 水分補給は体温調節・脱水予防・パフォーマンス維持のために必須
✅ 脱水はプレーの質も集中力も奪う
✅ 熱中症リスクにも直結
✅ 自分に合った補給スタイルを身につけよう!

🔜 次回予告|「飲み物の種類」と「水分戦略」の実践ガイド

  • スポーツドリンク vs 水

  • 経口補水液はいつ使う?

  • 甘すぎるドリンクに注意!

  • 夏の夜練習・遠征時の工夫

など、さらに実践的な水分補給術をご紹介予定です!

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