試合後の食事のポイント② 〜素早い回復で次戦に備えよう〜
2020/03/05
9月に入り、夏の終わりが近づいてきました。
みなさん、夏バテすることなく元気に過ごすことができたでしょうか。
もう少し、気温が高い日が続きそうなので、
忘れずに、水分補給はこまめに行いましょう。
さて、現在韓国において、U-18 野球高校日本代表のみなさんが、頑張っています。
甲子園が終わったばかりで、疲労もあると思いますが、怪我なく無事に帰ってきてください。
慣れない木製バット、また慣れないポジションで出場している選手も多い印象ですが、
アメリカにも、16-7と勝利しました。
優勝が期待できるのではないでしょうか。
応援しています。
前回、試合後の食事のポイントを3つ紹介しました。
糖質補給を中心に、タイミングや量にも意識することが大切だとお伝えしました。
試合後の食事のポイント① 〜素早い回復で次戦に備えよう!〜 - ほりさんの食選択応援Blog
今回も引き続き、試合後の食事のポイントを話していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
目次
試合後の食事のポイント
まずは、前回のおさらいから。
試合後は、自分が思っている以上に体も心も消耗しています。
次戦に向けて、疲労だけでなく、筋グリコーゲンや精神面も回復させる必要があります。
試合では、糖質をはじめ、ビタミンやミネラルなど様々な栄養素を消費しています。
すべて体において重要な働きを担っているので、
食事からしっかり摂取し、十分な栄養素を確保すことが大切です。
その際の食事のポイントとして前回3つ紹介しました。
ポイント
その① 糖質の補給を最優先に考えよう。
その② 量やタイミングを意識しよう。
その③ 補食をうまく活用しよう。
今回は残りの4つのポイントを紹介します。
その④ 糖質の多い食材をうまく活用しよう。
前回、必要な糖質の量を紹介しました。
体重や回復期間の長さでも多少は変わりますが、
かなり多くの炭水化物を摂取する必要があり、
それらを主食だけで確保するとなるとなかなか厳しいです。
食事を楽しむというより、無理やり飲み込む。
そのうような間違った食トレをノルマにしている部活や、
指導者もまだまだ多いというのが現状です。
しかし、回復するためには、それだけ多くの糖質量が必要なことも事実です。
主食だけでなく、糖質量の多い食材をうまく活用することで
無理なく必要量を確保する手助けになります。
糖質の多い食材といえば、芋類や根菜類。
じゃがいもやかぼちゃなどをうまく、副菜として活用していきましょう。
個人的に好きな料理はそぼろあん。
糖質だけでなく、たんぱく質も一緒に確保できます。
アスリートの副菜としておすすめの1品。
その他におすすめの食材は果物。
果物のいいところは、無理なく糖質を摂取できるだけでなく、ビタミン類や水分補給にもなるという点。
ドライフルーツはさらに糖質量が多く、持ち運びも簡単なので、補食にもおすすめ。
その他にもちや白玉・春雨・とうもろこし・ミニトマトなども
食事に取り入れやすいのではないでしょうか。
これからの季節は、栗なんかもいいですね。
糖質が多い食材をうまく料理に活用する。
それだけでも主食以外の糖質量を無理なく増やすことができますが、
さらに、糖質量を確保するなら、和食がおすすめです。
なぜなら、味付けに砂糖やみりんを使うことが多いからです。
砂糖は糖質の塊のようなもの。
もちろん、取りすぎによって体にあまりよろしくない影響も考えられますが、
糖質の確保が必要とされる状況においては、簡単に量を増やすことが可能です。
実際に知人の女子マラソン選手は、エネルギーをアップするために
バニラアイスクリームを食べていたと以前、聞きました。
食欲がない時や量を食べることができない時には、検討してみてもいいかもしれません。
まとめると、糖質の多い食材をうまく活用することで、
主食以外からも糖質の量を確保できるので、
無理なく食事から糖質を摂取する手助けになります。
具だくさんにすること、
うまく和食を取り入れるという意識を持っておくとよいでしょう。
その⑤ 内臓の疲労を考慮し、食べやすいものを食べる。
試合後は、体力も消耗し、内臓も思った以上に疲れていることが多いです。
なので、あまり食欲がわかなかったり、消化吸収がいまいちである可能性があります。
その点を考慮すると、脂質が少なく、消化の良い食事の方がおすすめです。
消化の良い食事という観点からも、やはり和食がおすすめ。
胃腸を守るという点では、納豆やオクラ・山芋などのネバネバ食品を取り入れると良いでしょう。
それでも、疲れすぎてどうしても食欲がわかず、
何も食べたくないということもあるでしょう。
そういった時に、無理やり食べても消化吸収せず、
排泄されるだけで体にも負担がかかります。
しかし、ここで、何も摂取しないということは避けたい。
何も摂取しないと体は回復せず、壊れていきます。
そういった際は、飲み物やアイスやゼリーなどからでもよいので、
少しでも、糖質を確保するという意識を持ちましょう。
液体や固体といった食品形態による、筋グリコーゲンの回復の差はない。
そのようなデータもあります。
自分なりに最悪の状態でも、これなら食べることができる
という食材を見つけておくとよいですね。
話は変わりますが、私は発熱などでどんなにコンディションが悪くても、
ポカリと鍋焼きうどんを食べて寝ると、
次の日にはだいたい回復するという技を持ってます。
気持ちの問題もあるかもしれませんが、
みなさんも、そのような食材を見つけておくとよいのではないでしょうか。
話を戻すと、試合後は内臓の疲労を考慮し、
脂質が少ない消化のよい食事を心がけること。
そして、最悪なコンディションでも自分なりに食べることができるものを見つけ、
少しでも多くの栄養を摂取する意識を持つことがポイントです。
その⑥ タンパク質も忘れずに。
体を作るためにはやはり、たんぱく質は必要です。
試合後、壊れた筋組織を回復させるためにも、
やはり、たんぱく質の摂取も大切となってきます。
筋グリコーゲンを回復させるためには、もちろん糖質が必要なのですが、
現在、多くの研究者のみなさんが、
筋グリコーゲンの回復速度を高めるために必要な栄養素を検討しています。
糖質を単体で摂取するよりも、「糖質+その他の栄養素」を同時に摂取した方が、
筋グリコーゲンの回復速度は早いのではないかということです。
「糖質+タンパク質」・「糖質+ケトン体」・「糖質+乳製品」など
さまざまな可能性を探っています。
「糖質+タンパク質」を同時に摂取することで、インスリンの分泌が刺激されるため
筋グリコーゲンの回復速度も早いという研究結果もあります。
その点も考慮しても、試合後は糖質中心の食事ではありますが、
やはり、たんぱく質の摂取も大切になってきます。
主菜からしっかりたんぱく質を確保することを意識していきましょう。
「1汁3菜」の定食スタイルに近づけることで、栄養のバランスも整えやすくなります。
なるべく多くの食品・食材を増やす。
具だくさんにする。
様々な制約がある中で、ぜひそういった足し算の発想を持ってください。
時には、足し算ではなく掛け算になるといううれしい効果もありますよ。
こちらは、ヤンキースの田中将大選手の実際の食事の様子です。
もうすばらしいですね。
奥さんの里田まいさんも栄養の勉強をされており、食事からご主人の活躍を支えています。
1汁3菜どころか、数多くの料理を追加することで幅広く栄養素を確保しています。
ここまで真似するのは大変なことですが、できることを参考にしていきたいですね。
そして、こちらはプロレスラーの中西学さんの実際の朝食の様子です。
これは、1汁3菜どころの騒ぎではないですね。笑
体が資本。
プロレスラーの体を維持するにはこれだけ、多くの食事が必要なんですね。
しっかり食べる大切さが再確認できる1枚です。
その⑦ クエン酸で回復の手助けを。
クエン酸を摂取することで疲労回復が促進される。
そのような情報を1度は耳にされた方も多いのではないでしょうか。
クエン酸回路を潤滑に回すことでATPを確保する。
クエン酸によって、疲労物質である乳酸が分解される
といった理由から疲労回復に効果ありとされていますが、
こちらに関しては賛否が分かれるところ。
乳酸に対する考え方が改められ、
そもそも、乳酸が疲労物質であるという点がまず間違い。
現在は、そのような、考え方が主流なのではないでしょうか。
なので、乳酸を分解したから疲労回復したというのは、正しい情報ではない。
そして、そもそも疲労と乳酸を結びつけている時点でナンセンス。
先日のスポーツ栄養学会でもそのような情報を得ることができました。
クエン酸は疲労回復とは関係ないといったデータもあれば、
ラットでは効果があるのではという可能性も。
難しいですね。
しかし、クエン酸を摂取することに意味がないかと言われるとそれは話が別。
クエン酸を摂取することで、カルシウムや鉄などの
ミネラルの吸収率がアップすると言われています。
さらに、食欲をアップさせる効果や
また、抗酸化物質の手助けとなるメリットもあります。
直接、疲労回復する効果はないのかもしれませんが、
間接的に疲労回復する手助けなるのではないかと
個人的には思います。
クエン酸を多く含むと言われている梅干しや柑橘類。
もちろん、これらの食材はクエン酸以外にも、体に役立つ栄養素が含まれています。
であれば、これらの食材を積極的に活用していくことの方が
メリットは多いのではないでしょうか。
試合後の食事にうまく活用していくのがおすすめです。
試合後の食事のポイント まとめ
-
糖質の補給を最優先に。
-
タイミングと量が大切。
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補食をうまく活用する。
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糖質の多い食材をうまく活用する。
-
内臓の負担を考慮し、食べやすいものを食べる。
-
タンパク質も忘れずに。
-
クエン酸で回復の手助けを。
以上、試合後の食事のポイントのまとめでした。
試合後の食事からライバルに差をつけ、
次戦で最高のパフォーマンスを最大限発揮できるように
しっかりと準備していきましょう。